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案内係 フィクションのエル・ドラード
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案内係 フィクションのエル・ドラード

フェリスベルト・エルナンデス(著者), 浜田和範(訳者)

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案内係 フィクションのエル・ドラード

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 水声社
発売年月日 2019/06/25
JAN 9784801002708

商品レビュー

4

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2019/12/08

「フェリスベルト・エルナンデスを読んでいなかったら、私は今日のような作家にはなっていないだろう」とはガルシア・マルケスの弁。 フェリスベルト・エルナンデスは、ウルグアイ出身のピアニスト兼作家。 フリオ・コルタサル、イタロ・カルヴィーノたちが称賛している。 『わが短編に関するた...

「フェリスベルト・エルナンデスを読んでいなかったら、私は今日のような作家にはなっていないだろう」とはガルシア・マルケスの弁。 フェリスベルト・エルナンデスは、ウルグアイ出身のピアニスト兼作家。 フリオ・コルタサル、イタロ・カルヴィーノたちが称賛している。 『わが短編に関するための解説』 自身による前書きのようなもの。 作者の書く短編には、論理的な構造はなく、意識が介入しているが、その意識の介入が謎だ。 頭の片隅でなにか奇妙な、でも将来芸術になりそうなものが生まれたときに、それが育つのを待つ。どうやって育つのかは分からないのだけれど。 『誰もランプをつけていなかった』 ぼくは広間で短編を朗読していた。人々を見回すとウェーブのかかった長髪の女性に気がついた。 招待客が帰り始めて、残った僕たちは小声で話した。誰もランプをつけていなかった。 ……いきなり何が始まった?というか、始まらなかったのか?第一話目がこれだとは、この短編をどのように捉えればよいのやら。 『案内係』 ぼくは自分の目が暗闇で光を放つことに気がついた。無料食堂に通っていたぼくは、食堂の隣の部屋の小部屋に入り込み、そこに置かれた品々を見て過ごす。ある日一人の女性がランタンを手に部屋に入ってきて… ……だからどう捉えればよいのだろう(*_*)  まったくわからないわけでもない、結構面白い、しかしなんとも言いようがない。 『フリア以外』 久々に学友と再開したぼくは、彼の別荘に招待される。そこにはトンネルがあり、右側には品々が、左側には四人の少女が並んでいる。学友とぼくは暗闇の中で品々を触って言い当てるんだ。 『初めての演奏会』 初めての演奏会の日、ぼくは奇妙な苦しみに襲われていた。 ピアノを弾きながらぼくは、鍵盤に一匹の猫がいるのを見る。これでは曲が進むと猫が跳ね上がるのではないか? 『緑のハート』 演奏会で訪れた街。ぼくは家族の思い出の品である緑のハートの石のタイピンを持ち歩いていた。その緑のハートをニャンドゥが飲み込んでしまった!ボーイはすぐに吐き出します、というけれど、緑のハートを取り戻すまではこの街から離れられないではないか。 ……シュールな話が続いているが、このへんでだんだん波に乗れるようになってきた、理解も解説もできないけれど、案外に楽しい読書体験ができている(笑) 『家具の店<カナリア>』 あの家具の宣伝は不意打ちだ。バスに乗っていたら「家具の店カナリア」の営業マンに急に注射をされたんだ。 その夜から頭の中で声が鳴り始めた。「あーあー、こちら<カナリア>放送局。ただいま特別放送中〜」そう、あの注射で強制的にラジオ受信させられてしまっているのだ! うるさくて仕方がないので営業マンを探して聞いたよ。この音を止めてくれって。ぼくからのお金を受け取った彼は、止める方法を教えてくれたんだ。 『ワニ』 ピアニストだけでは食べていけないからストッキングの営業を行うことにしたんだ。ある時街の子供相手の嘘泣きが受けたぼくは、それを営業に使うことにした。 いつでもどこでも泣けるぼくの営業スタイルは反響を呼び、ストッキングの売上も上々になったんだ。 ……「ワニの涙」とは嘘泣きのことだそうです。 『ルクレツィア』 どうやってそんな遥か昔の時代へ暮らしに行けたのかと聞かれるたびに、ぼくは腹が立って席を立ってしまう。 ぼくは自分の生まれた20世紀から、ルネサンス時代のスペインからイタリアにルクレツィアを訪ねていったんだ。修道院のガラス戸の越しに彼女の目を見て、ああ、あの目の持ち主がルクレツィアだなとわかったんだ。 ……いやいやいや、これはどういう小説なんだ、分からない!誰か解説してください!! なお、ルクレツィアとはボルジアさんのところのルクレツィアさんのことらしいのですが、彼女の夫の兄弟が彼女を巡って騒動になり目を怪我したというエピソードって本当にあるんですか? 『水に沈む家』 ぼくはマルガリータ夫人の話し相手に雇われた。 マルガリータ夫人は、自分の屋敷に水を張り、水の意識を感じて、水と意志の疎通を図ろうとして暮らしている。 ……なんだか幻想的な不思議な感覚。  この作者の特徴として「目」が感じられます。  マルガリータ夫人が水を見たことを「水の姿を目に入れて連れ出し、揺らさないように気を配りながら歩いた」(P159)と記述したり。 次の三編は自伝で、ピアノの師匠で盲目のクレメンテ・コリンズの思い出や、作者が文章を書くことについて語っています。 『クレメンテ・コリングのころ』 『ギャングの哲学』 『ファン・メンデス または考えの雑貨屋 または僅かな日々の記』

Posted by ブクログ

2019/10/03

なかなか難物。ウルグアイの作家は好みの人が多いので結構期待してたんだけど。そうねー、誰とも似てない、奇才、確かに。元々の職業がピアニストでいわゆるお勤めしてない人。なので、読む側への距離感が奇想天外というのか。表現者としての立ち位置というのか、手に取った人は自分をどう思うのか、そ...

なかなか難物。ウルグアイの作家は好みの人が多いので結構期待してたんだけど。そうねー、誰とも似てない、奇才、確かに。元々の職業がピアニストでいわゆるお勤めしてない人。なので、読む側への距離感が奇想天外というのか。表現者としての立ち位置というのか、手に取った人は自分をどう思うのか、それには時間差が生まれる訳だが、そこはピアニスト故、生み出すことのみの瞬発力のみに集中。まあ、タイトル作が一番狂っててインパクトあり、代表作に選ばれるであろうさ。

Posted by ブクログ

2019/07/13

[コメント] 国立増田書店 → 「掠れうる星たちの実験」 乗代 雄介 国書刊行会 出版年月 2021年12月 にタイトルのみ掲載されている模様 2023.06.10

Posted by ブクログ

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