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地獄めぐり 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/06/19 |
JAN | 9784065161470 |
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地獄めぐり
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商品レビュー
3.6
12件のお客様レビュー
『地獄めぐり』 2023年4月14日読了 地獄めぐりというタイトルどおり、本作は地獄の様子が事細かに記される。 釜茹でにされたり、鉄線の上を渡ったり。わたしたちも知っている地獄の情景がありありと浮かび上がるようだ。そこまで詳細に描かれた作品の数々からは、まさしく「怖いもの見たさ...
『地獄めぐり』 2023年4月14日読了 地獄めぐりというタイトルどおり、本作は地獄の様子が事細かに記される。 釜茹でにされたり、鉄線の上を渡ったり。わたしたちも知っている地獄の情景がありありと浮かび上がるようだ。そこまで詳細に描かれた作品の数々からは、まさしく「怖いもの見たさ」というのだろうか、人々の熱狂的ともいえる地獄への好奇心を感じてしまう。 本作においては地獄の詳しい紹介や情景描写はもちろんだが、わたしには後半部分が特におもしろかった。 加須屋氏は他の著作でも「まなざし」を軸に論じているが、本作では「自身へのまなざし」を扱っている。 目を覆いたくなるような苦痛を前に、なぜだが少し見てみたくなってしまう…地獄にはそんな悪魔的な魅力がある。そのような心の動きに対し、加須屋氏は「自分自身の心の内に地獄の本質があらかじめ組み込まれているからにほかならない」とする。 「地獄」を通し自身の中にひそむ暴力性や欲求を顧みること。そして、我々は常にさまざまな欲求を抱えつつ、しかし日々の安寧のためそれらを上手くコントロールしているのだということ。 戦争の勃発やテロともいうべき襲撃事件の発生など、まさしく末法の世の真っ只中に生きる我々にとって、自身の本性と対峙し上手に付き合うことは、とても大切なのではないだろうか。 心の中に暴力とエロスの欲動を秘めた私たちは、皆平等に生まれながらにして、地獄に堕ちる素質を与えられている。(本書226ページより) この言葉の意味を反芻し、日々努力して生きていきたい。
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図がカラーで非常に贅沢な新書。「地獄とはどこか遠くにある縁もゆかりもない異界だからではなく、自分自身の心のうちに地獄の本質があらかじめ組み込まれているからにほかならない」というおわりにの指摘が本書の背骨になっている。これを読むと日本人が地獄をどう捉え、恐れ、克服してきたのかが辿れ...
図がカラーで非常に贅沢な新書。「地獄とはどこか遠くにある縁もゆかりもない異界だからではなく、自分自身の心のうちに地獄の本質があらかじめ組み込まれているからにほかならない」というおわりにの指摘が本書の背骨になっている。これを読むと日本人が地獄をどう捉え、恐れ、克服してきたのかが辿れる仕組みになっている。 読み終わってつくづく思うのは、地獄行きは免れないなぁということである。
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taknalで出会った本。かつての人たちが地獄に対して持っていたイメージの変遷や、地獄絵の読み解き方など、興味深かった。本書のタイトル通り、地獄を順番に回る「地獄めぐり」が中盤にあり、その絵もカラーで紹介されているため、途中で体力が尽きてちょっと読書休憩したりして。 地獄絵は「悪...
taknalで出会った本。かつての人たちが地獄に対して持っていたイメージの変遷や、地獄絵の読み解き方など、興味深かった。本書のタイトル通り、地獄を順番に回る「地獄めぐり」が中盤にあり、その絵もカラーで紹介されているため、途中で体力が尽きてちょっと読書休憩したりして。 地獄絵は「悪い人たちが行くところ」という戒めのために描かれたのではなく、私たちの内なる暴力とエロスへの衝動を投影しているという解釈、なるほどと思った。
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