商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2019/05/29 |
JAN | 9784065125458 |
- 書籍
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完璧という領域
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完璧という領域
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商品レビュー
5
3件のお客様レビュー
2020年26冊目。 「完璧という領域はたしかに存在する」。そんな刺激的な言葉から始まる本書は、東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、21歳にして最高位のプリンシパルにまで上り詰めたバレエダンサーの熊川哲也さんの自伝的一冊。 ダンサーというプレイヤーだけでなく、...
2020年26冊目。 「完璧という領域はたしかに存在する」。そんな刺激的な言葉から始まる本書は、東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、21歳にして最高位のプリンシパルにまで上り詰めたバレエダンサーの熊川哲也さんの自伝的一冊。 ダンサーというプレイヤーだけでなく、その後にKバレエカンパニーを立ち上げ、演出家として、そして経営者としても芸術の完璧を追求するようになったこの方の哲学はとても刺激的で、僕にとって大切な一冊になった。 熊川さんの言葉に不要な謙遜はない。確かな実績とほとばしる感情によって裏打ちされた自信に満ちている。ここまで自信を隠さない人を久しぶりに見たかもしれない。読者に忖度しないその力強さに痺れる。 とても印象に残っているのは、熊川さんの「エゴへの振り切り」とも言える姿勢。バレエ団の経営者として後継者の育成などはもちろん考えているが、これまでの熊川さんや団体の活躍は、彼自身が持つ芸術への情熱と欲求に素直に従った結果だと感じた。それは特にKバレエの創設期に、組織や環境よりも自身の主張を貫き通したエピソードから感じた。たとえ仲間との離別を生んでも曲げたくないものを強く持っている人なのだと。 もうひとつ強く響いたのは、ダンサーにとっての「人生経験」の大切さだった。人生経験を重ねた表現者は、演じる役割や音楽との共鳴の仕方が変わってくるという。表現の根底にあるのは、演者本人の感動にある。熊川さん自身も「感動屋」で、いつも心が震えていると語っている。人を感動させる前に、まずは自分自身が様々なことに感動して生きる。その重要性を痛感した。 バレエ作品を観たことはほぼないし、詳しくもない。けれどこの本を読んで、バレエは「意味」ではなく「感覚」で伝える総合芸術なのだと感じた。意味に引っ張られがちな「言葉」の領域にいる人間として、これはとても興味深いし、得ていくべき感覚だと思った。 情熱に従って挑戦をする人におすすめしたい一冊。
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バレエをよく知らない人でも熊川哲也という名前は知っている。 バレエ界の天才が歩んだ道筋はとても興味深く面白かった。 熊川氏のはバレエの技術は天性的に「できちゃった」人のようだ。 もちろん努力だって人の何倍もしているだろうけどバレエにおいてはこういった天性のものというのは大きい...
バレエをよく知らない人でも熊川哲也という名前は知っている。 バレエ界の天才が歩んだ道筋はとても興味深く面白かった。 熊川氏のはバレエの技術は天性的に「できちゃった」人のようだ。 もちろん努力だって人の何倍もしているだろうけどバレエにおいてはこういった天性のものというのは大きいのかもしれない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
芸術家としての熊川哲也さんの考え方や思いが、前回の著書よりさらに広い視点で書かれている本。実体験から身に着けた、クラシックバレエとは何か、ということについて論じている本でもあると思う。について語っている。バレエという芸術、作品のひとつひとつの深みをより感じて、バレエを楽しめると思う。 また同時に、バレエに限らず、どう生きるか、人間として成長できるか、勇気をもって行動するか、といった面でも刺激を受ける一冊。
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