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トクヴィル 平等と不平等の理論家 講談社学術文庫
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トクヴィル 平等と不平等の理論家 講談社学術文庫

宇野重規(著者)

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トクヴィル 平等と不平等の理論家 講談社学術文庫

1,056

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2019/05/11
JAN 9784065157114

トクヴィル

¥1,056

商品レビュー

3.5

3件のお客様レビュー

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2022/11/23

知性の健全な枠=宗教がまだよく分からなかった。 でも宗教に対する曖昧さがむしろトクヴィルの人間味を感じられて良かった。 信仰が自然なことだというのはすごく共感できた。 そうかもしれないな。 「いま、ここ」への従属から逃げ出したい。

Posted by ブクログ

2020/10/10

トクヴィル専門家によるトクヴィル研究書。内容は理解できるのだが、トクヴィルの素人からするとその人物像や考え方がはっきり見えてこない。もともとそのような理解しづらい人物かもしれないが、トクヴィルがいかに偉大かは理解できなかった。また、最後に現代的な意義について述べているが、インター...

トクヴィル専門家によるトクヴィル研究書。内容は理解できるのだが、トクヴィルの素人からするとその人物像や考え方がはっきり見えてこない。もともとそのような理解しづらい人物かもしれないが、トクヴィルがいかに偉大かは理解できなかった。また、最後に現代的な意義について述べているが、インターネットやSNSで自由に意見を述べられる時代が、トクヴィルの予言する自由で平等の社会にあたるとの意見はこじつけに思う。封建制、貴族制、自由と民主主義の時代や社会主義や資本主義が複雑に絡み合う中で時代は進んでおり、今までとは違う新たな理論が適応される時代が次々やってきてるわけで、自らの研究対象と現在を結びつけようとする他分野専門家と同様の安易な考えと言えよう。 「カール・マルクスが階級闘争を軸に歴史の展開を読み解き、マックス・ウェーバーが「合理化」という概念を用いて近代という時代を説明したように、トクヴィルは「デモクラシー」によって、歴史の変化を意味づけ、近代社会の特質を描き出している」p17 「共和制とは元来、世襲の君主のいない政治体制を指す。したがって、世襲の君主さえいなければ、貴族制でも民主制でも共和制ということになる」p51 「共和制は公共の利益のための政治であるが、そのことは、多数者自身による政治、すなわち民主制とは区別されるべきであり、むしろ真に公共の利益を実現するためにも優れた少数者による指導を必要とする、という含意を持つことになった」p52 「不平等が支配的な社会においては、誰も不平等に文句を言わないのに、より平等が発展した社会においては、人は残された不平等について、それがどれだけ些細なものであったとしても不満を持つ」p70 「人々にとって、かつて自分たちから遠いところにいると思われた貴族たちは、今では比較を絶する存在ではない。そうだとすれば、彼らの持つ特権は、極めて目障りなものに見えてくる。かつては社会のヒエラルキーに組み込まれ目に見えにくかったその特権が、極めて不当なものとして可視化されたのである」p74 「アメリカ人は哲学を好まず、多くの人は、デカルトの名前も彼の『方法序説』も知らないであろう」p80 「「個人主義」という言葉は19世紀初めに初めて登場したものである」p85 「トクヴィルは『旧体制と革命』において、フランス革命によって主権が王から人民に移ったとしても、政府の権力はけっして弱体化せず、むしろさらに拡大したと主張した」p91 「フランス革命後も、共和制、王政、帝政と、激しい政体の変更を経験した」p98 「アメリカのジョン・ロールズが示す正義の第一原則はまさしく「平等な自由」である」p108 「(アメリカでのデモクラシーの定着)アメリカ人には隣人がなく、したがって、大戦争も、財政危機も、また戦災も征服も恐れる必要がない。膨大な租税も、多数の軍隊も、偉大な将軍も彼らは必要としない」p114

Posted by ブクログ

2019/08/26

トクヴィル、トクヴィルと何度も目にするようになり、その音の響きが気にかかっていた。いったいどういう人物なのか、何を言っていたのか、興味がわいた。いつか読んでみよう。そう思っていたら、文庫になった本書と出会った。これはよかった。著者が現在かかえる問題にひきつけて書いてくれているので...

トクヴィル、トクヴィルと何度も目にするようになり、その音の響きが気にかかっていた。いったいどういう人物なのか、何を言っていたのか、興味がわいた。いつか読んでみよう。そう思っていたら、文庫になった本書と出会った。これはよかった。著者が現在かかえる問題にひきつけて書いてくれているので、非常に理解しやすかった。トクヴィルが示した「デモクラシー」の謎は、「そこに暮らす個人が自立して思考しようとすればするほどむしろ他者の意見に従属することになり、自分の頭で考えようとすればするほどむしろ自分の思考の無根拠性にぶち当たってしまうということであった。」まさに、いまのネット社会を描いているかのようだ。自分の思考の無根拠性?だいたい自分が思いついたと思っているアイデアなど、だれかがどこかでとっくに言っていることだし、もともと何かで読んだり聞いたりして出来上がっていったものだろう。そういう意味では、自分にとっての思考の権威というのは必要ではないか。森毅だったり、村上陽一郎だったり、養老孟子、内田樹、村上春樹などなど・・・さて、トクヴィルが目指すのは「平等な自由」だという。そういえば、平等と自由が両立した世界が過去にあった。ソクラテス以前の古代ギリシャに。そういうことを、柄谷行人の本で読んだような気がする。復習しないとだなあ・・・ところで、トクヴィルがアメリカに滞在したのは1年未満だったと思う。私自身も高校生のころに留学経験がある。1年やそこらで何が言えるか、という部分もあるが、1年だからこそ客観的に見られるということもあるのだろう。自分が想像していたアメリカは、皆が積極的で自由気ままにやっているというもの。実際は、人種差別などはひどいし、消極的な人間もいるし、まあどこも同じ人間なんだなあというものでした。

Posted by ブクログ

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