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牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って
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牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って

三浦英之(著者)

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牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 小学館
発売年月日 2019/05/08
JAN 9784093886949

¥1,760

商品レビュー

4.2

36件のお客様レビュー

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2024/05/27

象の牙は歯が伸びたものであり、鹿のツノのように生え変わることはない。骨とくっついているので、牙だけを容易に取り外すことはできない。そこでどうするか。顔の前面を骨ごと切り取るのである。しかも生きたままで…。死後硬直が始まると象の皮膚は硬くなり、切断に時間がかかりすぎてしまう。だから...

象の牙は歯が伸びたものであり、鹿のツノのように生え変わることはない。骨とくっついているので、牙だけを容易に取り外すことはできない。そこでどうするか。顔の前面を骨ごと切り取るのである。しかも生きたままで…。死後硬直が始まると象の皮膚は硬くなり、切断に時間がかかりすぎてしまう。だから毒や銃で弱らせた状態で、生きたまま顔を削ると効率が良いそうだ。または中国人が提供する「マジックパウダー」という粉を牙の付け根に塗り込んでしばらく放置すると、皮膚が溶けて牙だけを容易に切断できるようになるらしい。いくら金のためとはいえ、このような残酷非道な殺戮が許されてよいはずがない。象牙製品を有り難がり、職人工芸として高級品扱いする日本と中国。読みながら怒りが止まらなかったが、思い返すと私も親から象牙の印鑑を譲られていた。だが本書を読んで密猟の実態を知ってしまった以上、もう二度と象牙製品は購入しないと胸に誓った。

Posted by ブクログ

2023/12/20

今の若い世代には象牙といってもピンとこなのかもしれない。だからこそアフリカの象牙をめぐる実態に、より驚きをもって読まれるのかもしれない。 密猟組織のドン、謎の中国大使館員などあやしい人物が登場してくるストーリーは迫力があり、読み応えがある。欲を言えば、もっともっと長い年月をかけ...

今の若い世代には象牙といってもピンとこなのかもしれない。だからこそアフリカの象牙をめぐる実態に、より驚きをもって読まれるのかもしれない。 密猟組織のドン、謎の中国大使館員などあやしい人物が登場してくるストーリーは迫力があり、読み応えがある。欲を言えば、もっともっと長い年月をかけてこのテーマを追い続けてもらい、より深堀したものを読んでみたいなと思った。

Posted by ブクログ

2023/11/17

本のページを開くと思ったより大きな文字と広い行間。 あれ?ポプラ社の本かな? 違いました。 老眼に優しい体裁ですが、中身はぐっと読みごたえありです。 というか、心が痛くて腹が立ちます。 象牙、なんですよね、狙いは。 私も知らなかったのですが、象の牙は鹿の角のように抜け落ちたり...

本のページを開くと思ったより大きな文字と広い行間。 あれ?ポプラ社の本かな? 違いました。 老眼に優しい体裁ですが、中身はぐっと読みごたえありです。 というか、心が痛くて腹が立ちます。 象牙、なんですよね、狙いは。 私も知らなかったのですが、象の牙は鹿の角のように抜け落ちたりはしないのです。 象の牙は臼歯が変形したものなので、歯茎や頭蓋骨とつながっているため、それを奪われることは死に直結するのだ。 だから、密猟者は象を殺した後、顔ごとすばやく持ち去っていく。 頭ごと、ではない、顔部分のみを。 そても、象の皮膚は硬いので、死後硬直が始まったあとはチェーンソーの刃も欠けてしまうので、生きているうちに顔を削り取る。 なんとおぞましいことをするのか。 著者が取材を始めたとき、密猟者を取りまとめていたのは中国で、タンザニアやケニアの政府がそれを補佐していた。 取材を進める著者の前に、政府の高官が圧力をかけに来たこともあった。 が、今、国際世論がワシントン条約の修正決議でアフリカゾウの象牙取引を決定しようという流れになった時、中国も東アフリカも積極的にその決議を支持しているときに、反対意見を提出したのがこともあろうに日本であったことに、情けなさが禁じ得ない。 日本の主張としては、今までもルールに従った取引は認められていた。 罰せられるのはルールを守らないほうであって、一律に禁止すべきではない。 日本には伝統的に象牙を加工する文化があり、それを支える職人たちの暮らしも守らなければならない。 一見いいことを言っているようだけど、ほんの小さな抜け道はあっという間に大きな裏道になってしまうことは、みんなわかっていた。 今までも日本では、国の機関である自然環境研究センターに登録すれば国内取引はできることになっていた。 ワシントン条約で国際取引が禁止する前に所持していたものに限るが、日本に野生の像がいないことを考えると、水際として機能しているように見える。 しかし、「最近入手した」と相談しても「昭和の時代に入手したと申し出れば問題ない」と回答し、合法的に輸入されたものなのかを判断せずに流通に乗せているという。 日本で、国の機関が、そんな仕事をしているなんて、情けないにもほどがある。 そして、職人の暮らしを守るなんて言っているけれど、日本ほど専門職や技術者に対してリスペクトのない国はないんじゃないだろうかとわたしは思っているので、これまた片腹痛い言い訳だと思った。 そんな中、正義感があって行動力もある若者たちが、環境保全のレンジャーとして密猟者たちに殺されているという現状。 人の命より象牙が大事か? 人として恥ずかしいし、悔しい。

Posted by ブクログ

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