商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2019/04/25 |
JAN | 9784750515816 |
- 書籍
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女たちのアンダーグラウンド
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女たちのアンダーグラウンド
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商品レビュー
3.3
4件のお客様レビュー
そういえば島村ジョーもハーフの孤児院育ちで、少年院だか鑑別所だかを脱走して~云々じゃなかったっけか。年代的にはGIベイビーじゃないのかもしれないけど、でも多分なんか意識下にあったんだろうなあ・・・なんて気がする。何時だって割を食うのは女性だったり子供なんだよな。
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戦後の横浜を中心に、外国人と日本人女性、そしてその間に生まれた子どもたちの人生を、当事者への聞き取りをもとにまとめたルポ。 今の時代にはそぐわない言葉が少々気になったが、私情を挟まずに事実を淡々と記述しているところは好感が持てた。
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著者は横浜在住の作家。生まれは京都府だが、成人して後、横浜に住み、横浜を舞台にした小説(『花園の迷宮』)で江戸川乱歩賞をとっている。横浜を描くノンフィクションの著作(『天使はブルースを歌う』)もある。 本作は、戦後の横浜の光と影を追うノンフィクション。 港、ヨコハマ。 外国の...
著者は横浜在住の作家。生まれは京都府だが、成人して後、横浜に住み、横浜を舞台にした小説(『花園の迷宮』)で江戸川乱歩賞をとっている。横浜を描くノンフィクションの著作(『天使はブルースを歌う』)もある。 本作は、戦後の横浜の光と影を追うノンフィクション。 港、ヨコハマ。 外国の人や文化が多く流入し、華やかな顔もある反面、その反動のように、陰もある。 横浜では維新の頃から外国人への遊女の斡旋があった。 敗戦後には特殊慰安施設協会(RAA:Recreation & Amusement Association)の施設が横浜にも設けられた。名前からはいささかわかりにくいが、「占領軍から善良な婦女子の貞操を護るため」、つまり占領軍兵の性のはけ口をあてがうための施設である。 男女の交流があれば、ときには子供が生まれる。だが、そうして生まれた子供たちは、当然、見た目も違う。「混血」と呼ばれ、ひどい差別に遭うこともある。それ以前に、水子とされてしまった例も多いという。 一方で、こうした混血児たちの支援に力を尽くした人もいた。 時代が下り、「ハーフ・ブーム」に乗って、恵まれた容姿や芸術的才能を武器にして、華やかな青春を謳歌したものもいた。 港に集まってきたものは、アメリカ人兵士ばかりではない。 横浜は日本で最大級の中華街を擁する街でもある。韓国系・北朝鮮系の人も多い。 繁華街の暗闇には、麻薬取引や売春もはびこる。 かつて黄金町に存在した「ちょんの間」には、女性1人では近づきにくい雰囲気があったというが、著者はこうしたところで働く女性たちにも取材している。 この地は、かつてヒロポンと呼ばれた覚醒剤のメッカでもあった。ここを流れる大岡川には、使い古しの注射器が投げ捨てられるばかりか、ふらふらになった中毒者が落ちてくることすらあったという。 GIベビーたちが密かに埋葬されたという根岸外国人墓地。 三菱財閥出身の篤志家で、混血児たちのための養護施設を作った澤田美喜。 故国での争いの余波で、台湾派と大陸派に分裂したが、また1つになろうとしている中華街。 「ちょんの間」の老娼婦。そしてヒロポンのかつての売人。 著者はさまざまな地を訪れ、さまざまな人に話を聞く。 その中から立ち上がってくる横浜の複雑な横顔。 光がまばゆければまばゆいほど、闇もまた深い。 魔を秘めた港・ヨコハマのポートレートである。
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