商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 藤原書店 |
発売年月日 | 2019/04/24 |
JAN | 9784865782158 |
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石牟礼道子と芸能
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石牟礼道子と芸能
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15年前に、町田康のデビュー作「くっすん大黒」を読んで衝撃を受けました。 小説って、こんなに自由に書いていいものなのだと。 それから彼の過去作を買い漁り、読み漁り、さらに新刊が出れば、これを買い、読み耽るということを続けました。 ですから、拙宅には町田康の全著作が揃っています。 ...
15年前に、町田康のデビュー作「くっすん大黒」を読んで衝撃を受けました。 小説って、こんなに自由に書いていいものなのだと。 それから彼の過去作を買い漁り、読み漁り、さらに新刊が出れば、これを買い、読み耽るということを続けました。 ですから、拙宅には町田康の全著作が揃っています。 谷崎潤一郎賞を受賞した代表作「告白」は、単行本と文庫本の両方を持っています。 文庫本を買ったのは約10年前。 その解説を書いていたのが、石牟礼道子でした(回りくどくてゴメンね)。 でも、馬鹿な私は、当時は石牟礼道子を知らなくて、ほとんど読み飛ばしていました。 その後、というのは5年前のことですが、彼女の代表作「苦海浄土」を読み、「くっすん大黒」とは別の、それこそ凄まじい衝撃を受けました。 それから彼女の過去作を買い漁り、読み漁り、さすがに新刊は出なかったと記憶していますが、とにかく石牟礼文学に傾倒しました。 それで、はたと思いました。 町田康の「告白」の解説を書いていたのは、たしか石牟礼道子ではなかったかと。 慌てて「告白」の文庫本を本棚から取り出し、石牟礼道子の解説を読みました。 私にとって、最も偉大な2人の作家がはっきりとつながった瞬間です。 身体に電流が走りました。 本書は、当代の名だたる作家や学者、ミュージシャンたちが、「芸能」を切り口に石牟礼道子を語り尽くした追悼の書。 赤坂真理、池澤夏樹、いとうせいこう、高橋源一郎、田口ランディ、米良美一、そして、もちろん町田康。 町田康は、「いわゆる小説みたいなものは書きたくない」という点で、自分と石牟礼道子は似ていると語っています。 そんな2人に心酔している者として敷衍すれば、私は「いわゆる小説みたいな小説は読みたくない」ということかもしれません。 ただし、町田康いわく、石牟礼道子は尊敬される側で、自分の場合は相手にされない、ばかにされる側なのだとか。 本書を読んでいる間、ずっと幸せでした。
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