商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2019/03/19 |
JAN | 9784480847485 |
- 書籍
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『教行信証』入門
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『教行信証』入門
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法然や親鸞にかんする多くの入門書を執筆している著者が、『教行信証』のテクストを引用しつつ、その解説をおこなっている本です。 本書の「おわりに」で著者は、今回『教行信証』を読みなおしていくなかで気づいたこととして、「親鸞にとって「仏」とは「還相の菩薩」そのものだ、ということ」を挙...
法然や親鸞にかんする多くの入門書を執筆している著者が、『教行信証』のテクストを引用しつつ、その解説をおこなっている本です。 本書の「おわりに」で著者は、今回『教行信証』を読みなおしていくなかで気づいたこととして、「親鸞にとって「仏」とは「還相の菩薩」そのものだ、ということ」を挙げています。本文中でもこうした著者の問題意識は明瞭に現われており、「「他力」がしばしば現実の中身がなんであれ、それらを無差別に容認する意味に使われがちだ、という問題」が指摘されてきたことに触れて、とくに江戸時代以降の宗門がそうしたイメージをつくってきたことを批判しつつ、親鸞そのひとの「還相」のかんする思想に立ち返ることで、社会的実践への道筋を示そうとする試みがなされています。 著者は、往相を歩む者からすれば浄土に生まれた後のことは現実味がないように思われるということを認めつつも、われわれの往相そのものを成立させている地盤をなしているのが、自我の存在以前の、あるいは自我のあずかり知らない他者の「還相」であると指摘することで、そうした幾重にもかさなりあう縁の働きのうちに往相と還相の密接なつながりを見るべきなのではないかという考えを提出しています。 著者の本はいずれもたいへん読みやすいものが多いのですが、本書は『教行信証』のテクストにそくして議論がおこなわれているため、ややむずかしく感じられるところもあります。とはいえ、著者の解釈は明快なことばで語られているため、親鸞の思想を学んでみようとする読者にとっては良い手引きとなるのではないかと思います。
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