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ある土地の物語 中島知久平・ヴォーリズ・レーモンドが見た幻
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ある土地の物語 中島知久平・ヴォーリズ・レーモンドが見た幻

樺島榮一郎(著者)

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ある土地の物語 中島知久平・ヴォーリズ・レーモンドが見た幻

2,750

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 北樹出版
発売年月日 2019/03/15
JAN 9784779305900

ある土地の物語

¥2,750

商品レビュー

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2022/05/16

三鷹市に広大なキャンパスを持つ国際基督教大学(ICU)。財閥役員の別荘から中島飛行機三鷹研究所、戦後の大学設立と大学構内の建築物の歴史を辿る。 大学同窓会の会報の連載記事に加筆修正したもの。広大なキャンパスの由来と点在する学校施設の設計者を追った力作。現在の野川公園や運転免許場...

三鷹市に広大なキャンパスを持つ国際基督教大学(ICU)。財閥役員の別荘から中島飛行機三鷹研究所、戦後の大学設立と大学構内の建築物の歴史を辿る。 大学同窓会の会報の連載記事に加筆修正したもの。広大なキャンパスの由来と点在する学校施設の設計者を追った力作。現在の野川公園や運転免許場も含むさらに広大な土地。学校設立に進駐軍が影響しているこども良く分かる。 実は4月に長男が同一敷地内の高校に入学。東京ドーム17個分という広大な敷地と独特な建物群。その歴史に触れることごできました。

Posted by ブクログ

2019/08/24

本書は、熱くて温かくて冷たい。 熱いのは、著者が建築好き歴史好きだから。 温かいのは、著者が実際にその建物で過ごして実家のような愛着をもっているから。 冷たいのは、著者の本業が学者で冷静に丁寧な分析を行っているから。 ICU(国際基督教大学)の土地と建物を、人物にフォーカスをあて...

本書は、熱くて温かくて冷たい。 熱いのは、著者が建築好き歴史好きだから。 温かいのは、著者が実際にその建物で過ごして実家のような愛着をもっているから。 冷たいのは、著者の本業が学者で冷静に丁寧な分析を行っているから。 ICU(国際基督教大学)の土地と建物を、人物にフォーカスをあてながらエモい歴史としてとりあげる。 私は著者と同じ時期に同じ大学、同じ寮で同じ空気を吸っていた。その分どうしても贔屓目にみてしまうものの、控え目にいって、最高の歴史ドラマだった。 著者の本業は研究者なので、歴史ドラマといっても研究書のような体裁で書かれている。文献の引用の仕方や注の付け方はまるで学術論文。だけど内容は「冷静と情熱のあいだで」といった感じで抑えきれない感情が行間からにじみでており、その面白がり方に引き寄せられながらの読書だった。 本書の構成は建物についての第二部と、その前段となる土地の選定と購入の経緯を描いた第一部からなる。 ボリュームとしては第二部が多く第一部の2倍あるが、文字通り、建物とその土台および土地という対応になっていて、この土地この土台なくして大学は存在しなかった、つまり大学で人格の半分が作られた私もまた存在しなかったのかと感慨深いものがあった。 国際基督教大学の中にある建物については、懐かしいあの建物、この建物にそんな歴史があったのかと胸が熱くなる。自分がそこで日々を過ごしていた時、誰かが建てたこと、誰かが設計したこと、誰かがその設計について議論していたこと、誰かがその資金を集めていたこと、誰かがその資金を募金していたこと、など考えたこともなかった。実際には、たくさんの善意がそこに集まって実現していたというのに。そして建物ごとの個性や刺激について、著者の解説を聞くと、当時は「なんとなく、ぼんやり」感じていた空気がありありと蘇ってくる。あの感じの背景にはそういう意図があったのか。あの雰囲気の背景にはそういう思想があったのか。 建築家のヴォーリズ。レイモンド。稲富。みな、学びとはどうあるべきか、大学とはどうあるべきか、戦後の日本におけるICUという大学がどうあるべきか、キャンパス内の教員住宅や学生寮はどうあるべきか、などなど本当によく検討し、数々の制約の中でベストを尽くしてくれたのだと、私の在学時代から数えれば四半世紀の時を超えて、それぞれの建築家が図面を引いていた時代から数えればその2倍3倍の時を超えて、感謝の念が沸き起こってくる。 そして、そのキャンパスが建てられた土地と大学構想についても、そこに到るまでの中島知久平から始まる「雨が集まりせせらぎが川になり湖ができあがった」かのような歴史ドラマを見せてもらえて楽しい。いくつもの偶然と必然がこの地に集結してICU(国際基督教大学)ができたのだ。そこに私が通い学び私になったのだ。私の両親も、私の先輩も、私の先生も、私の同級生も、私の後輩も、あの場に集まりまたそれぞれの場所へ散っていったのだ。 サブタイトルの「中島知久平・ヴォーリズ・レーモンドが見た『幻』」について、「幻ではなくて夢」だろう、と思っていたのだが、実はこれは著者のオリジナルではなく引用(オマージュ)だった。国際基督教大学の創立構想に大きな影響のあった山本忠興(東京女子大学理事長、前早稲田大学理工学部長など)の伝記にこう記されているという。 「国際基督教大学現在の敷地は、山本の抱いた大胆な幻から生まれた」(P.44) 夢ではなく幻から生まれたというのはちょっと楽しい。 (追記:著者からコメントいただきました。この幻という言葉は元々英語のVisionの訳語として当時の関係者に使われていた言葉とのことです。)

Posted by ブクログ

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