商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2019/02/28 |
JAN | 9784488777012 |
- 書籍
- 文庫
カムパネルラ
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カムパネルラ
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商品レビュー
3.6
15件のお客様レビュー
青少年を育成する方針として、国内の名作小説を国ぐるみで都合のいい『解釈』に誘導する機関、メディア管理庁(通称、メディ管)というものが存在している、なんだかディストピアな世界観の日本が物語舞台。その中でも特に推奨されている作家が宮沢賢治で、彼が死ぬ直前まで推敲を重ねた第四次稿が存...
青少年を育成する方針として、国内の名作小説を国ぐるみで都合のいい『解釈』に誘導する機関、メディア管理庁(通称、メディ管)というものが存在している、なんだかディストピアな世界観の日本が物語舞台。その中でも特に推奨されている作家が宮沢賢治で、彼が死ぬ直前まで推敲を重ねた第四次稿が存在するのだが、その四次稿をメディ管は非公認としていた。国家の判断に抵抗していた大学の講師で、賢治研究を行っていた母は連行され、その後、息を引き取った。16歳のぼくは、母の散骨のため、賢治ゆかりの豊沢川に遺骨を撒きに行く。 まるで〈異界〉のような過去で、絡み合う現実と物語、不思議な世界がひっくりかえる真相、謎に向かい合うミステリ的な面白さも孕んだSF作品です。あやふやな世界に抵抗する姿が胸を打つ作品ですが、〈感動〉という言葉では片付けたくない、そんなとても美しい物語でした。
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⭐︎4.7 「カンパネルラとは何か」作者の山田氏から作中繰り返し、出される命題に、私は一番心打たれた。なぜかはわからないが、そうなのだ。だから、カンパネルラについて少し考えてみようと思う。 カンパネルラとは、賢治が修羅の道を歩まねばならなかった、思慕の相手の具現。あるいは、彼の一...
⭐︎4.7 「カンパネルラとは何か」作者の山田氏から作中繰り返し、出される命題に、私は一番心打たれた。なぜかはわからないが、そうなのだ。だから、カンパネルラについて少し考えてみようと思う。 カンパネルラとは、賢治が修羅の道を歩まねばならなかった、思慕の相手の具現。あるいは、彼の一番の理解者である妹とし。 そんな人物などではない、観念としての「カンパネルラ」 未完成のものかたり故に、賢治の思索の轍を私たちは、今手にとって読むことができる。彼にとって臨終の間際まで手を入れたいものだったこのものかたりは、今の世の中にも響く何かを持っている。 宮澤賢治という作家は生涯をかけて読み続けていきたいと思える唯一無二の作家である。 嗚呼絵空事は、楽しい。
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銀河鉄道の夜をモチーフにしているからまだなんとか読み進められるけれど、そうでなければどうにもこうにも話がわかりづらすぎて、またつまらなすぎてたまらない。シュミレーション世界とかメディア管とか、いったいそれが何だっていうの?自己犠牲的な教育が目的だったら題材はグスコーブドリの伝記の...
銀河鉄道の夜をモチーフにしているからまだなんとか読み進められるけれど、そうでなければどうにもこうにも話がわかりづらすぎて、またつまらなすぎてたまらない。シュミレーション世界とかメディア管とか、いったいそれが何だっていうの?自己犠牲的な教育が目的だったら題材はグスコーブドリの伝記のほうが良かったのでは? 頭の悪い僕にはただの支離滅裂な妄想小説にしか感じられなかった。 *ああ、なるほど、私家版=第四次改稿=僕らが読んだ銀河鉄道なのだな。これは自分の中のカムパネルラを救い出す物語なのか。そう理解すると著者の想いは伝わってくる気はする。
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