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うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵 角川文庫
682円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2019/02/23 |
JAN | 9784041078679 |
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うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵
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うつせみ屋奇譚 妖しのお宿と消えた浮世絵
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家の事情で小学校6年生の2学期に転校するために祖母の家に引っ越してきたヒロイン鈴は亡くなった祖父が使っていた部屋を勉強部屋にあてがわれた。 ある日、浮世絵画家だった祖父が鈴の夢に出てきて、祖父が描いた絵から抜け出したものを絵に返して欲しいと頼まれる。 明くる日、鈴がたま...
家の事情で小学校6年生の2学期に転校するために祖母の家に引っ越してきたヒロイン鈴は亡くなった祖父が使っていた部屋を勉強部屋にあてがわれた。 ある日、浮世絵画家だった祖父が鈴の夢に出てきて、祖父が描いた絵から抜け出したものを絵に返して欲しいと頼まれる。 明くる日、鈴がたまたま見つけた和紙には生前の祖父から聞いていた妖怪のお宿、うつせみ屋と思わしき絵が描かれていた。 気になった鈴は祖父の絵から抜け出したものを探すために、どうにかしてうつせみ屋を見つけ出すことに成功。 鈴はうつせみ屋で祖父の絵から抜け出したものを無事に見つけられるだろうかというお話です。 本作を読んでまず思ったことは、実はうつせみ屋みたいなものが実は私の周りには多いなと思ったことです。 例えば高価買取の質屋さんや雀荘など、実はうつせみ屋みたいに必要もないと入らない私が踏み入れたことがない異世界と言えるものが日常に溢れています。 そこに入る必要のないこともあれば、勇気をあるいは興味をもたないと入らない異世界っていっぱいあるよなぁと思いました。 そして、ちょっと勇気をもって、あるいは興味をもってほんのちょっとのきっかけで踏み入れれば、冒険になる。 そう、私がパチンコ屋の前で好きなアニメをテーマにしたスロット台があると知って、どんなんだろう?と思ったのがきっかけで初めてパチンコ屋に入ってスロットを打ったらハマったようにね?(例えが悪い) あげた例えは悪いかもですが、冒険した結果が必ずしも良いことだらけではないし、悪い結果になるかもしれない。 でも、その結果を恐れていては何もできない。 そして、やる前に想像する結果はオバケや妖怪が怖いと言っているのと一緒ということ。 大人になればなるほど、これをやると怒られるかもしれない、失敗したくないなんてやる前から見えない結果を想像して尻込みしてしまうものなんで、やる前から逃げ腰というのは気持ちはよくわかるなと思います。 しかし、実は大体のことが失敗に終わることがほとんど。 イチローだってあんなにヒット打つのに、打率は4割付近がせいぜい良いところ。大体、半分以上が失敗に終わります。 一流と言われる人たちでさえそうなんですから、失敗は恐れるな!とは言わないですが、恐れすぎるな!ということかなと思いました。 あと、願いすぎるのは呪いです。 そして、その呪いの正体とは、よくわからない漠然としたものが圧倒的に多いのかなと思います。 例えば、お金持ちになりたいっていうのは、具体的いくら?どんな風にして?となるはず。 でも、本当の願いはなりたい自分がどうなのかということなのかなと思います。 憂き世は辛いことが多いかもしれませんが、それに流されて自分自身はどうあるべきなのか。 「変」(周りの人とは違う)というのは良い意味で褒め言葉になりますから、良い意味で変な人になればよいのかな?と感じた今日このごろです。 必要なのはちょっとした思いっきりかもしれませんね。
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子どもにしか視えない「うつせみ屋」に浮世絵師の祖父との約束で訪れた主人公の鈴。 妖怪、白い狐、浮世絵から消えた絵の謎の妖しが楽しく、新たな友情と一歩踏み出す勇気にも元気を貰える。 ちょうど夏から秋に向かう今の時期に読むのにぴったりな物語。
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私たちはいつ「妖し(あやし)」への親しみを忘れてしまったのだろう? 「大人になったら」と言うのは簡単であるけれど、それはいったいいつからのことだろう? 遠藤由美子さんの『うつせみ屋奇譚』を知ったのは、Twitterでのことだった。たしか柳田國男のことをつぶやいたり探したりして...
私たちはいつ「妖し(あやし)」への親しみを忘れてしまったのだろう? 「大人になったら」と言うのは簡単であるけれど、それはいったいいつからのことだろう? 遠藤由美子さんの『うつせみ屋奇譚』を知ったのは、Twitterでのことだった。たしか柳田國男のことをつぶやいたり探したりしていたら、偶然巡り合ったのではなかったろうか。正直なところ、あまりよく覚えていない。 ただ、その本の表紙に映る狐の可愛いことに惹かれたのをよく覚えている。こちらに誘いかけるような目を向ける狐に魅了されてついアマゾンの購入ボタンをクリックしたのは、もしかすると鈴(主人公)と同じような体験だったのかもしれない。 子どもにしか見えないものがある、という設定はよくある。ジブリがその代表だろう。アイルランドの妖精神話にもいくらかの同例がみられる。そして数多くの愛すべき「妖怪奇譚」が日本には満ち溢れている。そんな日本に魅了されたのが、ラフカディオ・ハーンであった。 僕たちは「物語」の読み解き方(小説の読み方)をまだ知らない頃には、そうした妖しい美しさに直接ふれて体感することができたのだろう。今となってはもう、妖しはフィクションの中に遠ざかってしまった。 そう考えると人生とは寂しいものであるが、『うつせみ屋奇譚』のような小説があれば、そんな生き方にも潤いが与えられる。怖さの克服は、鈴の日常にも非日常にも潜みながら、彼女を脅かしまた強くしてくれた。もちろん、白い狐もそれに一役…二役三役と買うことになる。 私がプロデュースする図書館「ぶん文Bun」には、「日本人の心」という妖しを扱う棚がある。梅原猛や網野善彦といった難しげな本や、『鬼学』などのとっつきにくい本が並んではいるが…この『うつせみ屋奇譚』もそこに加わってくれれば、今後はより多くの大人たちに「妖し」のゆらめく美しさを思い出させることができるかもしれない。 さっそく、図書館のほうで二冊目を購入しようと思う。
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