商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2018/12/06 |
JAN | 9784344428065 |
- 書籍
- 文庫
少数株主
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少数株主
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商品レビュー
2.9
8件のお客様レビュー
昔よく読んだ牛島信の新しい小説を見かけたので購入。非上場同族会社の少数株主とガバナンスがテーマで相変わらず発想が面白い。そのような株は持っていないが勉強にもなる。 しかし本作は会話メインで動きが乏しく出来上がりは今ひとつ。もっとリーガルの切った張ったを見たかった。69歳と65歳...
昔よく読んだ牛島信の新しい小説を見かけたので購入。非上場同族会社の少数株主とガバナンスがテーマで相変わらず発想が面白い。そのような株は持っていないが勉強にもなる。 しかし本作は会話メインで動きが乏しく出来上がりは今ひとつ。もっとリーガルの切った張ったを見たかった。69歳と65歳のロマンス展開は余分。それより「日本解凍法案」の課題を掘り下げて欲しかった。良いアイデアと思ったが、実際にはどういう課題や問題があるのかがわからなかった。編集者が悪いのかな。発想は良いのだから落ち着いて練り直して欲しい。
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非上場企業(同族会社)のガバナンスをテーマにした経済小説だけど、勧善懲悪的な痛快さと、シニアロマンスの切なさも楽しめる意欲的な小説。少数株主について、学べます。
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ー 目の前の仕事は、人類の歴史の流れが君の目の前で一つになって焦点を結んでいるものなんだ。原始、人の世に不動産というものはなかった。あったのは地面だ。いや、地面という意識も、言葉もなかったのが始まりだ。それが、1万年前に農業が始まって、すべてが変った。ここは自分のものだと標をつけ...
ー 目の前の仕事は、人類の歴史の流れが君の目の前で一つになって焦点を結んでいるものなんだ。原始、人の世に不動産というものはなかった。あったのは地面だ。いや、地面という意識も、言葉もなかったのが始まりだ。それが、1万年前に農業が始まって、すべてが変った。ここは自分のものだと標をつける奴が出てきて不動産という法的概念が生まれる。やがてその権利を売買し、貸し借りし、そのうち証券化までするようになった。だから、紛争が起きたら弁護士に頼るほかなくなる。すると、紛争予防のための契約書も弁護士に頼んでつくらなくてはならないことになる。紛争もその予防も、どちらも同じことだ。弁護士にしか見えない世の中の切り取り方があるということだ。 反対に、そこが子どものころの幼い恋の舞台だったこと、或る人間にとって無限のセンチメンタル・バリューがある場所だということなど、弁護士には認識できはしない。地質学者にとっての土地と弁護士にとっての不動産は違う。同じ地面なのに、まったく別物だ。しかし、弁護士は場合によっては地質学者の意見を聞かねばならない事件も扱うのさ。法律は言葉と同じ。なんにでも絡みつく。そいつが、今、君の体の正面にうずくまって、君の手で触れてもらうのを待っている。勉強する奴には見えるものが、勉強しない奴には見えない。 ー 勉強にもなるし、小説としてしっかり面白い。 “大人の会話”がお洒落だけど、嫌味なくこんな会話する人がいるのかなぁ〜、と思ってしまう。 人は究極的に何のために“働く”のか、を問う作品。 非上場企業にこそコーポレートガバナンスを求め、少数株主の権利を主張しよう、というのは物語を面白くする仕掛けであって、上手く出来ている作品。 他の作品も読みたくなったので、数冊購入。
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