商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 有斐閣 |
発売年月日 | 2018/09/25 |
JAN | 9784641150591 |
- 書籍
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産業組織とビジネスの経済学
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産業組織とビジネスの経済学
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本書は産業組織論が守備範囲とする多くのトピックを解説し、現実社会で重要なプラットフォームなどの分析にページを割く。「重要なトピックを網羅的にカバーしていない」と著者は謙遜するが、実際にひと通り読んでみて十分に包括的な教科書だと感じた。面白いと思ったのが「限界収入=限界費用」という...
本書は産業組織論が守備範囲とする多くのトピックを解説し、現実社会で重要なプラットフォームなどの分析にページを割く。「重要なトピックを網羅的にカバーしていない」と著者は謙遜するが、実際にひと通り読んでみて十分に包括的な教科書だと感じた。面白いと思ったのが「限界収入=限界費用」という利潤最大化の基本原理を「伝家の宝刀」として、価格競争や数量競争を始めとする色んなテーマを斬っていくという書き方。自分だったらすぐに「ゲーム」と「ナッシュ均衡」を持ち出して、一つのテーマとして独立させてしまうところだ。「有機的なつながりをもたせて解説すること」に努めたと「はしがき」にあるが、まさにこういうことかと感心する。 説明が平易で読者の直観に訴えるよう工夫されている点も本書の魅力だろうと思う。他方で数式を用いた「厳密な理解」が有用だと著者が考える箇所には「ウェブ付録」が用意されている。つまり、興味や理解度に応じて読者は自分に合ったやり方で本書を活用できる。この点で本書は良心的な作りになっている。経済学に関連する講義で数式は欠かせない。これは経済学部の教員にとって根強い見方だと思うが、説明や図表を工夫すれば重要なアイデアが学び手に伝わるのだと本書を読んで強く確信するに至った。 もし「産業組織論」の講義を自分が担当するなら教科書として使いたい。そう思える一冊。序章だけでも読む価値がある。 ところで本書を読んでこんな感想を抱く読者がいるかもしれない。「分析の多くは当たり前の話で、いくつかの分析では議論の前提が非現実的すぎる」直観的に理解できることの多くは「モデル」を使わなくても分かるものだし、数学的に厳密な分析のために現実的とかけ離れた前提を置く議論が現実を理解するための議論の出発点になるのかどうかは疑わしい。この感想は十分に正当だと個人的には思うが、本書がその責を負うべき性質のものではない。それでもタイトルに惹かれてビジネスの実務家や経営者が本書を手に取ったとしたら、おそらく期待はずれに終わるだろうと思う。経済学や経営学を学ぶ学部生を念頭に置いて本書を書いたと「はしがき」で著者が述べているのは、ひょっとしたら自分でも同じことが頭をよぎったのかもしれない。いや、これは邪推というものか。
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