商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/09/19 |
JAN | 9784065131268 |
- 書籍
- 新書
日本の国益
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日本の国益
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商品レビュー
3.8
8件のお客様レビュー
小原先生のゼミに入っていて教科書代わりだったので。なんとも言い難いですが、実務家が政治学の古典理論を引用するものの、それとはあまり関係のない実務経験によって結論を導き出すといった感じで、我々学生にとっては、結局ゼミの目的が外務省・防衛省官僚育成のケーススタディ・図上演習的なものな...
小原先生のゼミに入っていて教科書代わりだったので。なんとも言い難いですが、実務家が政治学の古典理論を引用するものの、それとはあまり関係のない実務経験によって結論を導き出すといった感じで、我々学生にとっては、結局ゼミの目的が外務省・防衛省官僚育成のケーススタディ・図上演習的なものなのか、それともミネルヴァの梟的なアナリスト的視点を獲得することなのか、いまいち判然とせず、判然とせぬまま卒論を書いて卒業してしまい消化不良感がある。前者に傾斜すれば「床屋政談をするな」「外務省OBコメンテーターの誰々は先輩だが、ああいうのはダメだ」となり、後者に寄せれば「実際の現場で役に立つか」となる。政治家でも学者でもない、官僚という立場の難しさということなのだろうかと首を捻った思い出。
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日中・日米の関係から、世界益強いては日本の国益を語った本 日米同盟至上主義かアジア主義化の二者択一はナンセンス。日本は日米同盟+αのαを今後は意識しなければならず、それは自由で開かれたインド太平洋戦略など世界益に通ずるものである。 驚き 日本独自の防衛を確立させるためには、日本...
日中・日米の関係から、世界益強いては日本の国益を語った本 日米同盟至上主義かアジア主義化の二者択一はナンセンス。日本は日米同盟+αのαを今後は意識しなければならず、それは自由で開かれたインド太平洋戦略など世界益に通ずるものである。 驚き 日本独自の防衛を確立させるためには、日本の一年の防衛予算の5倍のコストが掛かることとなる。自主防衛のための膨大のコストは巨額の国家責務を抱える日本にはとり得ぬ選択肢である。また核保有のために日本は国際的孤立を覚悟せねばならず、核兵器のない世界を目指してきた日本の理念やアイデンティティが喪失される。よって死活的国益である国家・国民の安全の確保において、日米同盟プラスは依然として最善の選択である。 国連海洋条約に批准していないアメリカ軍による航行の自由作戦によってアメリカの南シナ海の行動の正当性をアピールし、法の支配の受け入れを中国側に求めるという皮肉。 中国は海洋条約に批准して、南シナ海には国際法に基づき、交渉と協議を通じて、平和的に解決することを望んでいると主張する一方で、仲裁裁判の判決を無下にする態度をとっており、明らかにダブルスタンダードである。
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著者が本書を著した目的は明確だ。米国をはじめとする自国ファーストの世界的潮流の中で、日本が実現すべき「国益」を明らかにすることである。その答えは序章で早々と明らかにされている。すなわち、国益を追求する現実主義と国際益・世界益の理想主義を両輪とする「開かれた国益」こそがそれである。...
著者が本書を著した目的は明確だ。米国をはじめとする自国ファーストの世界的潮流の中で、日本が実現すべき「国益」を明らかにすることである。その答えは序章で早々と明らかにされている。すなわち、国益を追求する現実主義と国際益・世界益の理想主義を両輪とする「開かれた国益」こそがそれである。中江兆民『三酔人経綸問答』で言えば南海先生のような立場か。その上で、第一章・第二章では一般的な国益概念とその歴史的変遷をたどり、第三章ではその現代的展開例として主に中国の外交政策と米中関係について論じる。長らく第一線で対中外交に関わってこられた著者の面目躍如。そして第四章では日本の国益に大きな影響を与える三つの脅威、①北朝鮮の核ミサイル開発、②尖閣諸島への中国進出、③南シナ海での「法の支配」への挑戦について現状を整理し、最終章では改めて「開かれた国益」を実現するための具体策を提示している。恐らく東大での現代日本外交の講義はこのような内容なのだろうなと思われ、その後激化した日韓関係、香港問題は読者がアップデートすれば足りるだろう。
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