商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/08/11 |
JAN | 9784309619927 |
- 書籍
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大司教に死来る
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大司教に死来る
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
マイ・アントニーアがとても良かったので、須賀さんの訳でキャザー?!と手に取る。 迂闊に手に取ったが、読み終わるのに2ヶ月かかった。 面白いし、文が素晴らしくていいのだけど、なんせ状況がわかりづらい。 時系列もいったりきたりするし、地名も地理的な配置もわからないので、地図を載せてほ...
マイ・アントニーアがとても良かったので、須賀さんの訳でキャザー?!と手に取る。 迂闊に手に取ったが、読み終わるのに2ヶ月かかった。 面白いし、文が素晴らしくていいのだけど、なんせ状況がわかりづらい。 時系列もいったりきたりするし、地名も地理的な配置もわからないので、地図を載せてほしかったー。 そして、最大のストレスポイントは、主人公とその相棒の二人の聖職者のことを示す、司教、司祭、神父、の表記が入り交じり、どれが誰を表しているのか把握するのに、余計なエネルギーをとられてストーリーに入り込むのに時間がかかったこと…! 各ストーリーはわりと完結していて、群像劇のように読めるのですが、このあたりの理由で時間がかかった。 描写される自然の姿、そのなかで質素に生きる人々、私腹をこやす聖職者の人間らしい生きざま、複雑な視点がある。 しかし22歳でこれを書ける須賀さんのレベル。 キャザーの世界観も本当にいい。 以下はゆるい感想。 ジャン・マリー・ラトゥール神父。樹なつみの黒髪キャラ。主人公。才能ある冷静な人。美にこだわる。たぶんイケメン。相棒のヴァイヨンがすき(語弊)。 ジョセフ・ヴァイヨン神父。樹なつみの白髪キャラ。ラトゥールの副官。ブサ面だが、明るい性格で地元民とのつながりを重視する。料理好きでおおざっぱ。アツい宣教師。妹や故郷を大事にしている。 神父のバディものだから、さらに角川ホラーラノベ「バチカン奇跡調査官」を思い出しちゃって、それも困った。アニメで途中までしか知らないけど。 そして。池澤夏樹みたいに有名になれたら、自分の好きな作家作品で個人全集が作れるんだなー。幸せだなー、羨ましい!!!
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奇蹟は、なにか手にとって愛することのできるものだ。 字が読めないのは偶然にすぎず、本を追いこして、印刷機のついて行けぬところまで行くのだった。 彼は絶対に驚かない。それがどんなものであったにせよ、彼は遭遇すべき如何なる境遇にも処しうるようしつけられていた。 老人には古い習慣...
奇蹟は、なにか手にとって愛することのできるものだ。 字が読めないのは偶然にすぎず、本を追いこして、印刷機のついて行けぬところまで行くのだった。 彼は絶対に驚かない。それがどんなものであったにせよ、彼は遭遇すべき如何なる境遇にも処しうるようしつけられていた。 老人には古い習慣が必要なのでございます。若い者は、時代とともにどうにかなりますでしょう。 桜はもう散り、林檎が花ざかりだった。あたたかい春風に、空気と土がまざり合っていた。土は日光にあふれ、日光は赤い埃にあふれていた。吸う空気にも土の香りがしみこんでいて、足下の草には、青い空が映っていた。 どんな人間社会におとされようとも、彼はそこに光沢をあたえた。 胸に痛みを感じるのは早朝だった。 あの風には代えられなかった。 --- それぞれの心の中にある書店が微妙に違っているのを、若い私たちは無視して、いちずに前進しようとした。その相違が、人間のだれもが、究極においては生きなければならない孤独と隣りあわせで、人それぞれ自分自身の孤独を確立しないかぎり、人生は始まらないということを、少なくとも私は、ながいこと理解できないでいた。若い日に思い描いたコルシア・ディ・セルヴィ書店を徐々に失うことによって、私たちは少しずつ、孤独が、かつて私たちを恐れさせたような荒野でないことを知ったように思う。 って書く40年前の、今から70年前の22歳に、日本語を教わる。
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19世紀、北米大陸で布教活動を行う司教の物語。 西部の開拓地の自然描写と主人公ラトゥール神父とヴァイヨン神父の姿がすごくいい。 ラトゥール神父(司教、のちに大司教)がインディアンやアメリカ領になった土地に住むメキシコ人に対して布教を進めていく様子、カトリックの教えを守らない司教た...
19世紀、北米大陸で布教活動を行う司教の物語。 西部の開拓地の自然描写と主人公ラトゥール神父とヴァイヨン神父の姿がすごくいい。 ラトゥール神父(司教、のちに大司教)がインディアンやアメリカ領になった土地に住むメキシコ人に対して布教を進めていく様子、カトリックの教えを守らない司教たちに対してどう思ったか、ヴァイヨン神父をどのくらい頼りにしていたか、というようなことが書いてある「だけ」なのだが、読み進めてしまう。好きだなあ。
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