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ある日失わずにすむもの
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ある日失わずにすむもの

乙川優三郎(著者)

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ある日失わずにすむもの

1,870

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 徳間書店
発売年月日 2018/08/07
JAN 9784198646677

ある日失わずにすむもの

¥1,870

商品レビュー

4

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2021/02/27

反戦の短編が12編。みんなこれから戦地に赴く話で、帰って来る者が描かれることのない話ばかりだった。 ポルトガル、日本、アメリカ、フランス、そして最後は中国なのかな。多分この国が戦争を始めたように描かれているのだけれど、頼むからこんな世界にならないでくれと痛切に思う。 最後の二...

反戦の短編が12編。みんなこれから戦地に赴く話で、帰って来る者が描かれることのない話ばかりだった。 ポルトガル、日本、アメリカ、フランス、そして最後は中国なのかな。多分この国が戦争を始めたように描かれているのだけれど、頼むからこんな世界にならないでくれと痛切に思う。 最後の二編が特に、胸がジーンとなった。十三分という話、最後に飼っている猫に別れを告げる話なのだが、何でかな、これが一番泣きそうになった。

Posted by ブクログ

2019/04/13

初読み作家さん。 夫に薦められて読んだ作品。 戦争も災害も、普通の暮らしをしている日常にある日突然やってくる。 災害は避けようもないが戦争だけは避けなければならない。 平成の終わりに読むにふさわしい本だった。

Posted by ブクログ

2018/10/19

アメリカ、スペイン、フィリピン、インド、フランス、中国・・・と様々な国の市井の人々の生活を描いた12の物語は、表紙に小さく"twelve antiwar stories"とあるように、反戦小説集である。 世界のどこかで暮らしている普通の人々生活が静かに描かれ...

アメリカ、スペイン、フィリピン、インド、フランス、中国・・・と様々な国の市井の人々の生活を描いた12の物語は、表紙に小さく"twelve antiwar stories"とあるように、反戦小説集である。 世界のどこかで暮らしている普通の人々生活が静かに描かれる。ある者は移民として成功し、ある者は貧困のなかで、またある者は生きる目的を見いだせないうちに、それでも日々を平穏にささやかな優しさや愛のうちに過ごしている。その生活を静かに覆う戦争の影。 その戦争は近未来の大量殺戮兵器が使用される戦争。どこかで誰かが始めた、勝者でさえ何も得るもののない戦争。 出征命令を受け戦場に赴く主人公達には、無論戦う目的もない。 ーー戦う目的がないなら、この街を彼らをボス(飼い猫)を守るために戦おうと彼は思った。他に人殺しになる自分を許せるような理由はなかったーー 昨日と同じ日が続くと思っていた日常が、ある日突然奪われ、失われる恐怖が背筋をヒンヤリとさせる。 戦争に行く者、残される者誰もが再会が叶わないことを思いながら別れを告げるラストシーンが切なくてやるせない。 全てを読み終わった後、「ある日失わずにすむもの」というタイトルがしみじみと胸にこたえる。 どんな激しい過去の戦争を描いた小説より、身近に怖さを感じる作品でした。

Posted by ブクログ