
商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | みすず書房 |
発売年月日 | 2018/08/02 |
JAN | 9784622087168 |
- 書籍
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羞恥
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羞恥
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商品レビュー
4
4件のお客様レビュー
過酷な体験をした者の拘らずにはいられない思いが、受け止められないままに経済や政治に巻き込まれ翻弄されていく。そうした構図で物語を進めることで、拘らずにはいられない思いを際立たせている。とても読みやすく描写もシンプルで的確。そのまま映画にしても良いものが出来そう。
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期待していたのと違った。物語の内容は重いけどすらすら読めるので息苦しさや重厚感はない。あと主人公がチスにそこまで思い入れがあるのがあんまりわからない。しかし北韓に生まれたというだけで自由をもとめることが羞恥につながる不条理は生なましくもあった。
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長くはないが、ねっとりと重い小説である。 主人公は脱北者のウォンギル。亡命の過程で妻を亡くし、思春期の娘と韓国で暮らしている。 友人であるトンペクとヨンナムもやはり脱北者で、トンペクは家族が公安警察に捕まり、ヨンナムの家族は中国で人身売買グループの手に落ちたらしいが詳細は不明であ...
長くはないが、ねっとりと重い小説である。 主人公は脱北者のウォンギル。亡命の過程で妻を亡くし、思春期の娘と韓国で暮らしている。 友人であるトンペクとヨンナムもやはり脱北者で、トンペクは家族が公安警察に捕まり、ヨンナムの家族は中国で人身売買グループの手に落ちたらしいが詳細は不明である。 自身のみが助かったトンペクは自分を責め続け、ついに自死を遂げてしまう。 ヨンナムは田舎へ引っ込み、自給自足の生活を始める。 近く、冬季五輪が開催されることになっており、街はその期待に浮かれている。 あるとき、競技場建設予定地から朝鮮戦争の頃のものと思われる大量の人骨が出土する。米軍によるものか、あるいは人民軍か。 ある劇作家が、この事件を元に、演劇を作ろうとする。ヨンナムはそれに出演するつもりだという。彼はなぜそんなものに出たいのか。失業して時間もできたウォンギルは、娘とその友達を連れ、彼の元を訪れる。 人骨事件は、真相を解明せよというもの、オリンピック前にそんな話で水を差すなというもの、騒ぎを収めようとする政府が入り乱れ、どんどん騒ぎが大きくなっていく。 ヨンナムの真意は何か、そこに秘められた思いは。 過去を背負う脱北者の彼らは、好景気に沸く周囲についていけない。 深い苦悩を秘め、せめてもの贖罪を願うが、周囲ははなから色眼鏡でしか見ないのだ。スパイだ、アカだと言われ、よその国に逃れてきたのだから、おとなしく目立たぬように暮らせと言う。 しかし、経済至上主義の空気の中、より深くを見ているのは彼らではないのか。 取り残されたような困窮の中、世の中を見つめる彼らの視線は暗いが鋭い。 著者の両親もまた、「北韓」と呼ばれる北朝鮮から「南韓」といわれる韓国に逃れ、故郷を失った「失郷民」と呼ばれる人たちである。 ただ、著者はこれを脱北者の厳しい現実を告発する物語としては描いていない。もっと普遍的に、現代韓国の諸問題と絡めて、「一つの悲劇」を描こうとしたと言っている。 とはいえ、脱北者についてさほど知識のない日本人読者のため、訳者が巻末にそのあたりの事情も付記しており、優れた解説となっている。 韓国内に住む脱北者は3万人を超えるという。 数多くの彼らが、艱難辛苦の果てに国境を越え、あるいは命を落とし、あるいは心身ともに傷を負い、たどり着いた先でなお、真に受け入れられることがない。 その孤独の重さを思い、また「羞恥」というタイトルに込められた意味を考える。 なかなか答えが出ないのだが、あるいはまた、これは読み終わったところから始まる物語であるのかもしれないと思う。 世界の流動と断絶について。その軋轢と苦悩について。 自らの問題として考え続けていくということが、この物語の提起することなのか。 そうであるならば、なるほどこれは普遍的な物語であるのだろう。
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