商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/07/28 |
JAN | 9784101215419 |
- 書籍
- 文庫
アメリカ最後の実験
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アメリカ最後の実験
¥605
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商品レビュー
3.6
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この小説、もっともっと評価されていい。もっともっと売れておかしくない。構想も、筋書きも、キャラクターも素晴らしい。そして、本当に良い意味で、押さえてまとめている。生意気なコメントだけど、作者の技量の進化が見れる気がする。もちろん、恥ずかしいコメントだけど、音楽への愛があるんだろうなあ。こんなハッピーエンドのお話書くんだ、と思いました。読んで良かった。
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事件云々はあっさりとしているので、タイトルから想像すると話は重さがない。けれども音楽とそれに纏わる背景や精神の動きについては精緻で面白い。いい意味で論文的な何かを読んでいる気分だった。
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失踪した音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽大学を受験した主人公の脩。 型破りな試験が行われる中、会場でアメリカ最初の実験と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。 やがて、第二、第三と連鎖し... 音楽に身を捧げる若者たちの青春冒険譚と思いきや、どういうジャンルに分け...
失踪した音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽大学を受験した主人公の脩。 型破りな試験が行われる中、会場でアメリカ最初の実験と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。 やがて、第二、第三と連鎖し... 音楽に身を捧げる若者たちの青春冒険譚と思いきや、どういうジャンルに分けて良いのか分からない。アメリカそのものに対するアンチテーゼなのか。音楽とは何か。主たる軸はそこなのだろうが。 ピタゴラスによって音律が作り出されたのが、紀元前六世紀。そこから音を重ねあわせる和声や調性が発見されるまでには、およそ1500年の歳月が費やされた。元は呪術や田畑の豊穣を祈るものであったものが、やがて芸術へと昇華する。 アメリカとは常に実験国家である。最後の市場の形は何か。 17世紀、ピルグリムファーザー達は信仰の自由を求め、英国を流れてメイフラワー号で北アメリカへ移住した。ピューリタンであった彼らは厳格な性の抑圧を掲げ、地上に楽園を作ることを夢見ていた。 そして、侵略戦争が始まった。 そこには土着の音楽もあったはずだ。しかし、この船に詰め込まれてやってきた奴隷達が黒人霊歌を持ち込みやがてジャズが生まれ、ブルース、ロックが生まれ、ブレイクビーツ、ヒップホップ、R&Bへと。 一冊の中に、音楽を通じてではあるがアメリカという国が孕む二律背反の闇を描いてるように感じました。
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