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中小企業M&Aにおける財務デューデリジェンスのすべて
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中小企業M&Aにおける財務デューデリジェンスのすべて

久米雅彦(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 金融財政事情研究会
発売年月日 2018/07/17
JAN 9784322132465

中小企業M&Aにおける財務デューデリジェンスのすべて

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2019/02/21

中小企業M&Aにおける財務DDの進め方について基本的なところから事例解説まで幅広く解説されていた。DDの対象が中小企業なだけに中小企業経営者との接し方について具体的に解説されていた。DDに従事される方には一読をお勧めする。 P64 この会社は、製造業を営んでいる中小企業です。毎期...

中小企業M&Aにおける財務DDの進め方について基本的なところから事例解説まで幅広く解説されていた。DDの対象が中小企業なだけに中小企業経営者との接し方について具体的に解説されていた。DDに従事される方には一読をお勧めする。 P64 この会社は、製造業を営んでいる中小企業です。毎期、さまざまな節税対策を講じ、損益をほぼトントンにし、工場や製造設備のために長期の借入金がある、いわゆる典型的な優良中小企業といえます。過去において多少の波はあったものの、総じて業績は順調であり、毎期、少額の最終利益を計上していました。社長に決算書についてインタビューを行ったところ、「特に意図的な操作は行っておらず、顧問税理士の指導のもと、毎期、適切に作成されており、問題はないはずだ!」と自信満々でした。 ところが、われわれが財務デューデリジェンスで(修正)時価純資産の金額を算出すると、社長はまったく予想外の結果を聞いて愕然としていました。「自分は顧問税理士の先生のいわれたとおりに決算書を作成してきた。それが間違っているということは考えられない。もし、本当に間違っているというなら顧問税理士が自分を騙していたということか!」と凄い剣幕でした。 しかしながら、決してこの顧問税理士が悪意をもって騙していたわけも、いい加減に仕事をしていたわけでもありません。ただ単に、いままで会社法(財務会計)に基づく決算書ではなく、法人税法(税務会計)に基づく決算書を作成していただけなのです。あえていえば、顧問税理士は社長に「現在の決算書は会社の財政状態および経営成績を表しているものではなく、税務署に提出するのに問題のない決算書です」ということを一言付け加えておかなければならなかったということでしょう。 P111 ②問題の背景 (非正規雇用者の存在) 対象企業は非正規雇用者を多く抱える事業形態である。業績の悪化に伴い、原価の大半を占める労務費を抑える必要があった。 ③発見事項 (社会保険の過少申告) 労働保険(雇用保険·労災保険)の長年にわたる過少申告(年間約3,000万円)の事実が判明した。対象企業は業績不振により資金繰りが悪化した頃から、雇用者の人数を不正申告していた。過年度の遡及納付に係る偶発債務に加え、適正申告した場合の正常収益力に与える影響も軽微ではなかった。 ④顛末 買い手は偶発債務とコンプライアンス上の問題からリスクが大きいと判断して買収を見送った。 P123 (1)マネジメント·インタビューの目的 中小企業を対象とした財務デューデリジェンスを効率的に行うためには、現場作業の初日に2~3時間かけて経営者や経理担当者に対してマネジメント·インタビューを行います。ここでは会社やビジネスの概要·状況、財務、人事の情報などについて幅広くヒアリングが行われます。 このインタビューを通じて、会社に関する情報を体系的かつ網羅的に経営者や経理担当者から直接聞くことにより、会社の全体像や仕組みが理解できるとともに、経営者の会社やビジネス、従業員等に対する考え方についても知ることができます。また、その後に行われる実証的手続において詳細に確認をしなければいけない事項やリスクがあると思われる領域についても、おおよそ絞り込むことができます。マネジメント·インタビューは財務デューデリジェンスのなかできわめて重要な手続であり、ここでの心証によっては、その後の対応も大きく異なってきます。 なお、あまりにも細かい内容についての質問は、会社全体の概要を把握するというマネジメント ·インタビューの趣旨から外れますので、注意が必要です

Posted by ブクログ

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