商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新日本出版社 |
発売年月日 | 2018/06/01 |
JAN | 9784406062411 |
- 書籍
- 児童書
出発 から草もようが行く
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商品レビュー
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[墨田区図書館] 図書館で立ち読み。 Amazonレビューでは、「図書館司書のプロ」と称する人が「絵本にするほどの話でもない」「もっと深い悲しみの中にいた人のことも忘れないで」と評していたけれど、私にはとてもいい絵本に思えた。 特攻隊として死地に向かうはずだった練習兵が、期せ...
[墨田区図書館] 図書館で立ち読み。 Amazonレビューでは、「図書館司書のプロ」と称する人が「絵本にするほどの話でもない」「もっと深い悲しみの中にいた人のことも忘れないで」と評していたけれど、私にはとてもいい絵本に思えた。 特攻隊として死地に向かうはずだった練習兵が、期せずして終戦で戻った抜け殻の日常生活の中で、姉の嫁入り道具を運ぶという行為からこの先の生きる力を取り戻していく実(伝)話を元に描いた絵本。 確かに上記の人が評するように、この主人公自体が戦争の大きな犠牲になったとか、感動的な立ち直り方をしたとかではないし、「とりたてて」話にするような美談や教訓でもない。ただ、この子だけではないだろう「普通の一例」を、しかも多少アレンジはあるだろうけれど「実際に(よく)あったこと」を、紹介や伝承、もしかしたら筆者自身の戦争に対する昇華の過程として、時代感にとてもあったこの穏やかな絵で描かれたことには、大きな意義があると思う。私の世代では「ひろしまのピカ」や「かわいそうなぞう」、一時期その表現の是非が話題とされた「はだしのゲン」などがあったし、私が知る限りでは近年は「ドームがたり」などの新たな視点や形式での作品もいくつかその列に加わっていて、この本もその一冊となると思う。 この作品の元となったのは、「乾杯シリーズ」で知られた宮川ひろさんが筆者の小泉さんに伝えた話だそうだ。実際は品川から松戸を目指した話だったとか。お二人がどういう繋がりかと思ったら、小泉さんは乾杯シリーズの絵担当の方だった。乾杯シリーズは数冊息子にも読ませたし好きなシリーズではあったけれど、失礼ながら小泉さんのお名前はこれまで全く認知しておらず、今回初めて知り、意識する段となった。また、文中で疑問に思ったのが、「唐草模様の風呂敷」≒「嫁入り道具」と認識させられた文章。私にとっては「唐草模様」=「泥棒」のみであり、この文章には意外性を覚えた。レビューにあたって調べてみると、確かに唐草模様は本来、その伸びる特性から延命長寿・子孫繁栄になぞらえて松竹梅・鶴亀・吉祥文様などと並んだ縁起模様だったらしく、嫁入り道具を包むもの、という認識だったらしい。実家に唐草模様の風呂敷なんてあったかな、、、?既に親の世代でその風習(まぁ嫁入り道具を担いでいくという風習自体はもうなかったのはわかっているけれど)と言われがなかったのかどうか、唐草模様に対して親は何を思うのか、今度尋ねてみようと思った。
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