少年写真家の見た明治日本 ミヒャエル・モーザー日本滞在記

宮田奈奈(編者), ペーター・パンツァー(編者)

• 販売会社／発売会社: 勉誠出版
• 発売年月日: 2018/05/31
• JAN: 9784585222095

商品レビュー

2024/05/13

ミヒャエル・モーザーとその写真についてまとめられた『明治初期日本の原風景と謎の少年写真家』と重なる部分も多いが、同書よりもの注釈や解説が詳細であるため、補足として読んだ。２冊を読んでしみじみと思う。ミヒャエルは、自らの意志と運で歩んだ異国での波乱万丈の少年期と青年期、帰国後穏やかな後半生を合わせて、羨ましいくらい豊かな人生を送ったのだ。

2018/08/14

新聞の書評を読んで。

写真家、とあるが、どちらかというと（写真はもちろんだが）モーザー氏が書き綴った日記や家族に宛てた手紙の内容がとても興味深い。
15歳の少年がここまで細かく描写出来るのが驚きだった。
少年だったからこそ、かもしれないが。

今から150年前の世界を見た「生の声」が読み取れるのである。
辛く長い船旅を乗り越え、やっと長崎に着いた時は感動すら覚えた。

それにしても「貧しいが清潔」と日本を何度も表現しているのに比べ、中国のことは…相当ひどかったらしい。
（中国に関しては読んでいて辛くなったが）

ただ、その頃の日本もまだまだ民度は低かったみたいで、行く先々で酷い目にも遭っている。
それでも、写真家とし日本に長く滞在しようと思ってくれたのは嬉しい。

言葉の面でも随分と苦労されたのが読み取れる。
ドラマや映画になって広く知られるといいなぁ…。