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はじまりは、図書室 スターツ出版文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | スターツ出版 |
発売年月日 | 2018/05/28 |
JAN | 9784813704669 |
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はじまりは、図書室
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はじまりは、図書室
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商品レビュー
3.4
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集。3編収録。 それぞれの話は独立しているが,世界観(というか,舞台となっている学校)が同じで,3話目の物語の中では,2話目の主人公カップルの話も登場したりしている。 裏表紙に書いてあった紹介文(ウラスジ)を読んで,幼馴染の恋愛ものなのかな? それなら好きだから読んでみるかと思って,気軽に手に取ったのだけど,短編集なので幼馴染なのは最初の短編のカップルだけだったというね笑(まあネタバレになることを書けば,3個目の話も再会型幼馴染ものではあるのだけど,要素としては薄め。) そしてそれ以上に驚いたのが,恋愛ものなのかなと思っていたら,ガッツリとした恋愛中心の物語というよりは,どちらかと言うとヒューマンドラマというか,人生における諸々の悩みごとの方に重きが置かれた内容だったことだった。 個人的には恋愛中心の話よりも,むしろ重みがある人生や人間関係における苦悩や葛藤がみられる作品の方が好きなので,嬉しい誤算というか,思わぬ収穫でありがたかったのだけどね。 (恋愛にまつわる悩みや心理描写は大好きなのだけど,やれ惚れた腫れただの,誤解によるすれ違いだの,デート風景の描写とかは,行き過ぎたりそればかりがずっと続くと食傷気味に感じてしまう人間なので…。) 文体としてはあまり砕けすぎておらず,インターネット小説発のライトノベルという印象からすると,だいぶしっかりとしていて,個人的にはライトノベルにおける口語体の文章は読みにくいことが多いので,非常にありがたく,好みに刺さる文体だと感じられた。 3編の中では,最初の話は認知症という重いテーマであるがゆえに,扱いが難しかったのか,若干踏み込みが浅く,物足りない印象だったが,残り2編はどちらも違った読み口ながら,爽やかな青春に彩られた空気が感じられて,楽しく読めたと思う。 特に3編中,最もページ数が多く割かれているだけあって,2話目の「ハックルベリイとわたし」は,恋愛面の成り行きと吹奏楽部における人間関係のいざこざという問題への解決が交錯して描かれていて,続きが気になって逸る気持ちを抑えきれなく感じるくらいに,たいへん面白かった。 アスレチック公園のデートシーンもとても活き活きとして描かれており,こんな青春を送ってみたかったなあと羨ましさを覚えるくらい,魅力的に感じられた。 3話目の「春の日の魔法」は,打って変わって落ち着いたテイストで大人びた雰囲気が魅力的だった。 最後の話が卒業式の日の話であるというのも,この本1冊を通して辿ってきた,高校生活という旅路に対する感傷を覚えて,心の内に感慨深い想いが湧き上がってくるのを感じた。 ヒロインもミステリアスで,大人びた魅力を感じさせる子で,個人的には3編の中で1番好みに合致するヒロイン像だったなと思う。 (3話目だけが男性の主人公による視点から描かれているので,恋愛感情に対して共感しやすかったという面も大きかったとは思うが。) 作者の虹月一兎先生は,調べたところどうやら今作以降本を出すことができていないようだったけど,個人的に文体が気持ち良く読める希少な作家さんなので,どうにか頑張ってまた新しい作品を世に送り出してもらえたらなあと思う。 虹月一兎先生,読んでいる間の時間,まるで青春時代に戻ったかのように,大変楽しませていただきました。 素晴らしい作品をありがとうございました。
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全3作からなる或る学校の図書室を巡った恋愛物語。 つい先日も図書室をメインにした本を読んだけど、この本は短いお話だからこそ続きを推測できるのも面白かった。
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高校生の初々しい恋愛模様の3組のお話 幼馴染、ブラスバンド部の部長と山岳部員、勉強一筋で高校生活を送った男子 何というか、自分の高校生活では絶対にこんな恋愛は出来なかっただろう物語に思える(笑) 一番よかったのはハックルベリィかな 人間関係の板挟みは、むしろ大人になってからの...
高校生の初々しい恋愛模様の3組のお話 幼馴染、ブラスバンド部の部長と山岳部員、勉強一筋で高校生活を送った男子 何というか、自分の高校生活では絶対にこんな恋愛は出来なかっただろう物語に思える(笑) 一番よかったのはハックルベリィかな 人間関係の板挟みは、むしろ大人になってからの方が色々と大変なのに、高校の部活で経験する姿はちょっとくるものがある 解決方法として、対象者と敵対したりするわけでもなく、協力者としての立場を割り当てる発想は良いと思う 世の中、こんなに上手く行けばいいですよね…… あと、龍野くんの距離感がよい 自分ならどうやってメンタルやモチベーションのコントロールをするかという発想で、押し付けがましくなく手を差し伸べられる態度は素晴らしい 「付き合っている人がいるか」という問いを、そんな風に聞ける優しさよ まぁ、捉え方によっては特定の相手がいた場合は浮気を唆しているように思えるのかもしれないけどね タイトルから、もっと図書館が関係するかと思ったけど、そんなに重要な要素になってない 最後の野村くんの話で、司書の雪見さんにも言及されていて ちょっと調べたら、小説家になろうで雪見さん主人公の物語のスピンオフと知る でも、そっちは書籍化してないんですね そんなわけで、雪見さんの物語と書籍化されてないエピソードも読んでみた 雪見さんの物語は、恋愛経験が少ないまま、大人になっても若者のような恋愛をしてるなぁと思った ま、児玉先生も性格も相まってよい物語になっていると思う 「はじまりは、図書室。」の方も書籍化されていない話やカットされた部分がある 介護の実態はなぁ…… 書籍化で削られた、お母さんとの会話の部分が結構重い 言い方は悪いけど、体は元気なのに…… という状況が厄介ですよね…… マトリョーシカも書籍化されていないけど、個人的には一番好きな話かもしれない 運命のひとは、雪見さんの物語の方で色々と訳ありっぽく出てたのが佐藤さんだったんですねぇ あっちだけ読むと、あの時期にありがちな大人の男性への憧れや若さに任せたからかい程度に思えたけど、こんな事情があったんですねぇと面白かった 小説家になろうの最後で作者さんも言ってたけど、同じ舞台を用いることで、様々な物語を作りやすいというのはあると思う 伏線とまではいかないけど、サブキャラとして登場している人達にも詳しく描写されていないエピソードがあるんだろうなぁと想像すると面白い そんなエピソードも読んでみたいけど、これらの物語はもう続きが出ないんでしょうねと思うとちょっと寂しい
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