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教養主義のリハビリテーション 筑摩選書

大澤聡(著者)

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2018/05/01
JAN 9784480016669

教養主義のリハビリテーション

¥1,650

商品レビュー

3.6

13件のお客様レビュー

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2020/10/28

感想。読書で得られるのは知識であるより考えの型であることが多いように思う。 知識は目的に応じてのみ引き出されるが、考えの型はどのようにも使われるからで、引き出されない知識は忘れ去られるので。 テキストにはなっていない自分自身の関わる問題にこの型を使うことにこそ意味があると思う...

感想。読書で得られるのは知識であるより考えの型であることが多いように思う。 知識は目的に応じてのみ引き出されるが、考えの型はどのようにも使われるからで、引き出されない知識は忘れ去られるので。 テキストにはなっていない自分自身の関わる問題にこの型を使うことにこそ意味があると思う。型は公平に使う人間自体を批判もするから。 教養主義もアウトプット前提である。インプットし、アウトプットする間にいろいろくっついてくるものがノイズではなく教養だ。 ノイズのないデジタルな情報を、いつでも持ち歩いていると思うことで教養主義は廃れた。 実は廃れたのではなく、そのように教養が剥奪された純粋な情報を「教養」として捉えていた大多数が、「本」を手放しただけで、ほんとうの教養主義者の絶対数はそれ程変わっていないのではないか。 たしかに、のっぺりした時代だ。ほぼ手続きがなくなり人間は動物化する。ただ、動物化した人間は、本を読む快楽を知らない、知る機会がないだけなのかも知れない。 一方で、ネット検索は情報を得るためではなく、本を得るためである本読みにとっては、読みたい本がすぐに読める、この時代はすばらしい、とバランスがとれているのかも知れない。

Posted by ブクログ

2020/08/03
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※このレビューにはネタバレを含みます

教養について、読書について、大学について、教養主義の歴史について、メディアについて、現代の「知」についてなど、様々な方面に対して示唆に富む本。 印象に残った点(一部) 第1章 新書の氾濫 鷲田「読者が自分のものの見方をごそっと入れ替える、あるいはゆさぶる、そんな本を求めているのかというと、ちょっと「?」がつく」 「いまの読者は自分が日々漠然と感じたり考えたりしていることを確かめるために本を手にしているふしがある」 大澤「なんとか食らいついて理解したいなんて読書スタイルは消滅しつつある。それは「教養主義の崩壊」とそのままイコールです」 第2章 昔の大学のゆるさが羨ましい… 竹内「私が大学院生だった時代はずいぶん大学にも余裕があって、さほど論文を書かなくても何もいわれなかった」 竹内「博士論文なんて書かなくてもまったく問題にならなかった。いや、むしろ書くべきではなかった」 大澤「場に応じて「見た目」や入角度を変える必要があるんだけど、その時に切れるカードが減ってきているということでしょう」 大澤「なにか書きたいという欲望だけが先走っている。自己実現の欲望だけが肥大化しているという意味では、社会のカラオケ化はまだつづいている」 大澤「わかりやすい新書をかけるかどうかが指標になるわけですね。いかにもマーケティング・ビジネス化した大学ですね」 第3章 文系学問の意義の話。電車の最適化の例。 理系学問のみでは今の価値観の外側に出られない。 第4章 「いまは、「知っている」ことへのリスペクトが急速に低下している時代」 「「知識より意見を」とか、「理論よりも実践を」とか、あの手の物言いには一理あります。(中略)今となっては不勉強や怠慢の言い訳として便利に使われているにすぎない」 「たいていは歴史上のあまりに凡庸なパターンにはまっていて、議論を無邪気に巻き戻してしまう」 「先人たちが時間と労力と資金をかけて導き出した解や失敗をきっちり補助線として導入する」 「「知っている」は課題解決や議論の前進のためにどんどん「使う」」 「そこに至る思考のプロセスじたいも知っておく。それは読書によってしか知りえないことです」 「知識を欠いた薄っぺらな意見発信ばかりになってしまった」 「どうせみんなすぐ忘れるんだから、大学の授業を受けても、本を読んでも、意味なんてないよ」に対抗する論として非常に重要な文章↓。グーグル効果Google effectにも関連してそう? 「知識や情報はいちどはこの「身体」を通過させないと使いものにならないんじゃないでしょうか」 「くわしくは知らなくても、関連ワードやジャンルの見取り図ぐらいは頭に入っている。だから推測できる。「あたりをつける」こともできない人間が、「調べればわかる」といってしまう。滑稽でしょう」 「難しい本」を読むことや「わからない」を大切にすることについての記述から考えたこと アンケートにおいて 「面白かった・つまらなかった」や「わかりやすかった・難しかった」に左右されてはいけないモノもよくあると思う 例として、大学教育で 「つまらない、難しい」という意見があるからといって、理学部工学部でやる数学を簡略化したり授業量を減らしたりとか、文系において論文を読む授業を減らしたり読むものを簡単なものにするとかは、慎重に判断すべき 喩えるならば、九九は覚えるだけでつまらないからやらないとか、九九のうち七の段は難しいからやらないとか、そんなことになりうる危険性がある 長い目で見ればやっててよかったやるべきだったとなりうる。 また、関連するが、評価を高めるためだけに、コンセプトに反したり関係なかったりことをするのは避けた方が良いし、コンセプトを達成することを怠ってはならない。 前者としては、その方が客が喜ぶからと言って、企業理念に反したことをするなど。個人的にはまだしも団体全体としては避けるべき。 後者としては、大学の〇〇学部なら当然これをやるし知っているべきである内容を、人気ないので学校がやらないとか。 関連する?例 NHKの「欲望の時代の哲学2020 マルクス・ガブリエル NY思索ドキュメント」でやっていた内容 データではなく質的な現実も考えようというの。 「世界を技術的な目で見る人には周りの物全てが最適可能な資源として見える」という言葉は非常に印象的 『The tyranny of metrics 測りすぎ なぜパフォーマンス評価は失敗するのか?』も関連しそう。

Posted by ブクログ

2019/05/22
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複眼的思考を身につけ、自分を世界の中に位置付け、対話を通して補助線を多く獲得せよ。 上から目線、当たり前。上だから。 遠近両眼、理系は近、文系は遠

Posted by ブクログ

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