商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/04/17 |
JAN | 9784309026718 |
- 書籍
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泣きかたをわすれていた
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泣きかたをわすれていた
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商品レビュー
3.9
15件のお客様レビュー
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【母と娘の血縁と解放】 語りての冬子が認知症になった母を介護しているシーンから始まり、 半ば、7年にわたる介護を終えますが、 自身の人生の終わりを意識した終わりにいたるまで、 母の生き様が冬子の生き方の土台にあるような、 そんなお話でした。 フィクションですが、著者の体験記的小説となっているようです。 ・・・ シングルマザーとして冬子を育ててきた母。 神経症を患いながらも、一人娘を育て上げる。 冬子は10代から、母とは一定の距離を置き生きてきていた。 22歳で新卒で入った出版社を31歳まで勤めたのち、独立し、絵本書店「ひろば」を始める。 そして今は自分が母の世話をする。 子どものような無垢な母。 すぐ、「あっち側」に行ってしまう母。 母に育てられた日々を思い返さずにはいられない。 母はどんな思いで生きてきたのか。 __子どもという存在が、大人を「こっち側」に引き留めておくのだ。(本文より) 神経症の症状がなくなったのは、祖母(母の母)が他界したとき、冬子の実の父が他界したとき、だったか。 それは母にとっての何かしらの解放だったのか。 そしてふと訪れた7年の介護への終止符。 いつしか自分も老いていく。 __いくつかの死を体験して、子どるの頃の重圧であり、母の介護が始まってから再びの重圧となった死への恐怖は、すでにいまのわたしにはなかった。 わたしが子どもを迎えたいと思わなかったのも、子であることの重さに耐えられないと思ったからかもしれない。この母のために死んではならないという思い詰めた日々。なんという重さだったろうか。わたしという子どもを迎えた母も、同質の重さをずっと抱えていたに違いない。血縁という鎖を先に解くことができたのは、認知症になった母のほうだったが。(本文より) 72歳になった冬子が、41年間続けてきた「ひろば」の経営を、信頼する同僚に譲り渡すところで、ストーリーは終わる。 ・・・ かけがえのない親との関係、 それを分かっていてもどうにもならない何かがある。 解放でもあり、未練でもあり、常に両面が合わさっているような経験。 どんなに考えても知ることはできないお互いへの思いが二人をつなぎ、突っ放し、引き戻し、その存在を受け入れるときに、緩まるような。 私たちもそれぞれに避けては通れない、関係の変化をもたらす出来事を経て、この奇妙なつながりを思い返し、付き合い方を学んでいくのだろうと思いました。
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自伝?小説?と思いつつ読み、結論はその中間。 経験した人しかわからないことは沢山あって、後は想像力で補うしかない。 今の私にとっては、介護も終活も近づいてきていると漠然と思うもののまだ少し遠い存在。 介護も終活も生と死と向き合うという事だろうか。 時間には限りがあるという事を...
自伝?小説?と思いつつ読み、結論はその中間。 経験した人しかわからないことは沢山あって、後は想像力で補うしかない。 今の私にとっては、介護も終活も近づいてきていると漠然と思うもののまだ少し遠い存在。 介護も終活も生と死と向き合うという事だろうか。 時間には限りがあるという事を再確認させてもらった気分だ。
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一言で言うと感動した。大学でジェンダーについて学んだ自分にとって勉強にもなったし、考え方が広がった。 死はすべての人間にとって解放を意味する。ずっと泣くのを先延ばしにして我慢していた主人公。最後は解放されたんだなぁ(死んだわけでは無いけれど)
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