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私はガス室の「特殊任務」をしていた 知られざるアウシュヴィッツの悪夢 河出文庫
968円
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/04/06 |
JAN | 9784309464701 |
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私はガス室の「特殊任務」をしていた
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商品レビュー
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どうしても強制収容所跡地が見たくなって、学生時代にドイツを訪れたことがある。何故かアウシュビッツにこだわって結果諦めざるを得なかったのだが、旅程の関係でダッハウへ行った。アウシュビッツにこだわったのは、そこが有名でアイコン的だったからだと今になって思う。両収容所におけるガスによる...
どうしても強制収容所跡地が見たくなって、学生時代にドイツを訪れたことがある。何故かアウシュビッツにこだわって結果諦めざるを得なかったのだが、旅程の関係でダッハウへ行った。アウシュビッツにこだわったのは、そこが有名でアイコン的だったからだと今になって思う。両収容所におけるガスによる大量虐殺の違いや収容者の違いを当時は知らなかったから。世間知らずで、希望が叶わず残念に感じながらもダッハウも強烈な悲劇を残していて、それで胸がいっぱいになった。その夜、現地で知り合った友とドイツの酒場に入り、ドイツ人と日本人が生まれながらに抱える宿痾のような定めを考えた。 本書は、アウシュビッツで生き残った著者による実体験を語った回顧録。内容について多くを語る必要もないと思う。どうして悲劇が起こったのか。勧善懲悪の二元論で語って良いのか、あるいは、同調圧力、時代の空気、服従の心理の連鎖のような末路なのか。 日本でも起こる猟奇的な殺人事件に対し、これは特異な人間が起こした事件だと考えられているが、これをホロコーストに当てはめるなら、人間誰しも猟奇的な殺人を犯す生き物だという事を認めざるを得ない。もしかすると、猟奇的な殺人は、その瞬間、そこだけホロコーストと同じような原理が働いたとも言えるのではないか。 強盗が増えている。殺人事件も含まれている。人間を過信しない。原理が解明されぬ限り、我々は常に加害者にも被害者にもなり得る存在であり、あるいは崩壊に向かって日々を蓄積しながら向かう「その瞬間」が来やしないかと恐怖しなければならない生き物なのかも知れない。
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ユダヤ人をガス室に送り、処刑された後ガス室から折り重なり皮膚がドロドロに溶けた遺体を外に運び出し、その遺体の髪を切り、銀歯金歯を引き抜き、焼却場で焼き、遺灰を川に捨て、ガス室を綺麗に清掃する、そんな任務を負っていたのが「特殊任務部隊」で同じ強制収容されたユダヤ人で構成されていた。...
ユダヤ人をガス室に送り、処刑された後ガス室から折り重なり皮膚がドロドロに溶けた遺体を外に運び出し、その遺体の髪を切り、銀歯金歯を引き抜き、焼却場で焼き、遺灰を川に捨て、ガス室を綺麗に清掃する、そんな任務を負っていたのが「特殊任務部隊」で同じ強制収容されたユダヤ人で構成されていた。そしてその任務内容が外に漏れないように部隊の者も定期的に処刑されていた。しかしながら奇跡的に生き逃れたシュロモ・ヴェネツィアがその壮絶な内容を赤裸々に語っているのが本書だ。彼が重い口を開いたのは解放から47年後で69歳だった。
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『夜と霧』が意識して客観的に書かれていたのに対し、本書はインタビュー形式ということもありかなり主観的な話を聞くことができます。 アウシュビッツの中でも、ガス室や焼却炉という特殊任務に当たっていたゾンダーコマンドの経験です。基本的にこの作業に当たった収容者は秘密保持のために処分さ...
『夜と霧』が意識して客観的に書かれていたのに対し、本書はインタビュー形式ということもありかなり主観的な話を聞くことができます。 アウシュビッツの中でも、ガス室や焼却炉という特殊任務に当たっていたゾンダーコマンドの経験です。基本的にこの作業に当たった収容者は秘密保持のために処分されたため、かなり貴重です。 印象的なのは、解放後に人に話をすると頭がおかしいと思われて信じて貰えなかったという点です。 この経験を語ろうとするまでに40年以上かかったそうです。 あんまりにも酷い出来事は、信じないことでなかったことにしたいのかもしれません。 勇気をもって告白してくれて有り難いです。 大切に読むべき本です。
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