商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 小学館 |
発売年月日 | 2018/02/01 |
JAN | 9784092905856 |
- 書籍
- 児童書
フローラ
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フローラ
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商品レビュー
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前向性健忘症の17歳のフローラは、脳に傷を受けた10歳以降の短期記憶ができない。けれど、ある夜、親友のBF ドレイクとキスをした記憶だけは消えなかった。 フローラはドレイクのおかげと病気の改善を信じ、彼を愛し求め、北極圏まで追っていく行動にでる。 ドレイクがヒドイやつだと分かって...
前向性健忘症の17歳のフローラは、脳に傷を受けた10歳以降の短期記憶ができない。けれど、ある夜、親友のBF ドレイクとキスをした記憶だけは消えなかった。 フローラはドレイクのおかげと病気の改善を信じ、彼を愛し求め、北極圏まで追っていく行動にでる。 ドレイクがヒドイやつだと分かっているので、何度も「ドレイクとキスをした」と記憶を呼び戻すフローラの一途さに悲しみと辛さを感じながら読む進める。 記憶は人格を形成していく。ドレイクに託した希望は、自分を取り戻すための旅だったのだ。そこには苦しさも辛さもあるが、ひとりで行動する喜びに溢れている。 最後、もっと衝撃的な事実が明かになり堪らなく辛い。けれど、フローラの旅は決して無駄ではなかった。 自分らしく生きるとは、誰もが求める普遍的なテーマだったと気付く。
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また、娘のおススメ。ジャンル的にはYA 記憶障害の少女の一人称で書かれているので後半まで良い意味で読者は騙される。 中盤が同じことの繰り返しなので、意味はあるのだけど本を読みなれていない子は飽きてしまうかも。 少女を誰よりも大切に思っているはずの母親よりも、他の人が彼女の未来の救いになるという結末が辛く、でも素晴らしい。
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家族以外に誰も自分を愛してくれないんじゃないか、なんなら家族も自分のことを愛してくれていないんじゃないか。たぶん誰でもそんな孤独感を感じることはあるし、障害を持ってるフローラからしたらその孤独感はもっと強かったんだと思う。 そこで初めての男の子とのキス。甘い言葉も言ってくれるドレイクにフローラは舞い上がる。しかもその記憶は消えない!きっと特別な運命的な恋に違いない。 自分の障害を治してくれる可能性を持っている男の子、そして自分を愛してくれて、孤独から救ってくれるドレイクにフローラは夢中になる。ドレイクを追って北極にまで行ってしまう。 でもそれは全然運命的な恋でもなんでもなくて、ドレイクは北極で新しいガールフレンドを作っているし、「フローラとキスなんかしていない。別の女の子とキスしてるところを見たフローラが、自分のことと勘違いしただけだ」とか言う。 結局、キスは本当にしていて、ドレイクはどうせフローラが忘れてしまうと思い、すごく軽い気持ちでフローラにキスをしていたことがわかる。わたしはドレイクめちゃくちゃ最低だと思った。 でも、たぶんドレイクみたいな男の子は現実にたくさんいて、ドレイクのその軽さはすごくリアルだと思った。すぐ忘れてくれる女の子に適当に甘い言葉をかけて、ヤレればラッキーみたいな。 ただ、この物語に出てくるのは、ドレイクにふさわしい軽薄な女の子じゃない。孤独から逃れてふつうに暮らすことを願う勇敢なフローラだ。 フローラは、自分を治してくれると信じてドレイクを追いかける途中で、いろんな人に出会う。その人たちはフローラにとても親切で、フローラの友達になる。 フローラが追いかけたドレイクは最低なやつだったけど、結局のところフローラを孤独から救うことに一役買ったわけだ。 もうこの先誰にも愛してもらえないんじゃないか、1人で生きていくしかないんじゃないかと絶望して何も動かないのでは人生は変わらない。本当に孤独なままだ。 でもフローラは「勇気を持って」自分を救う旅に出る。自分を救ってくれる魔法の王子様はいなかったけれど、フローラは自分で自分を救うことができたのではないだろうか。フローラを見習って、勇気を持って、わたしも旅に出てみようと思う。
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