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専制国家史論 中国史から世界史へ ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2018/02/01 |
JAN | 9784480098436 |
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専制国家史論
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専制国家史論
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今ある先進国というのは大概が、前近代に封建制を経由してきているのだけど、中国は古代から近代まで長く専制国家が続いてきた。その辺が、政治経済の面で中国に、他の先進国と比較して、どのような特徴をもたらしたかという分析。たしかに中国ほど長く専制国家が同一の領域で繰り返されてきた地域も...
今ある先進国というのは大概が、前近代に封建制を経由してきているのだけど、中国は古代から近代まで長く専制国家が続いてきた。その辺が、政治経済の面で中国に、他の先進国と比較して、どのような特徴をもたらしたかという分析。たしかに中国ほど長く専制国家が同一の領域で繰り返されてきた地域も世界中で他にないわけで、その観点で考察するべきことは多い。 著者の論旨では、封建制のように社会が階層構造をとると階層内での自治や共同体意識が生まれるが、中国の場合は専制国家対個人といった形で階層が低次になり自治や共同体意識が育まれにくい。 そのため、会社などの団体による個人の意思の領有が弱くなる(各職員の職務への忠実性が信頼できない)ため、制度やサービスの信用が低くなり、強い個人主義/自分で何とかする社会になる。政治面でも党派による党員への意思の統制が自主的には期待できず、個人崇拝や力による強制に頼りがちとなる。 一方で、個人対個人のコネクションは他の社会に比べて重要度を増す。中華民国時代に至っても、多くの社会サービスは個人またはコネクションのある個人の集合により各個の名声のために寄付として提供される形をとっていた。封建制でもロータリークラブとかあるじゃんと思ったが、それよりも個人の名前に負うところが大きく、実施内容も通常の西洋先進国であれば行政から提供されているような規模だったりするらしい。 着眼点は面白いし、近世の中国史に関する調査は労作だと思うけど、マクニールとかダイアモンドとかに比べるとやっぱり根拠調べの点で物足りないところが多かった。これが日本の人文系の限界なのか。
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