商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | エイアンドエフ |
発売年月日 | 2018/01/01 |
JAN | 9784909355027 |
- 書籍
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トレイルズ
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トレイルズ
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商品レビュー
3.8
13件のお客様レビュー
ロマンチックだがそれが過度にならないようにバランスをとる知性的で中庸な文章が心を打つ。翻訳も素晴らしい。強引にジャンル分けするなら哲学的エッセイということになるか。 すべての章がそれぞれに面白いがやはり彼の内省が前面に展開されるトレイル歩きがメインの章が特に素晴らしいと思った。
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これまた荒木博之さんのVoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていて気になっていた本。 こちらを紹介された方が、本当に本の説明、魅力を伝えることが巧みで、本屋さんで見かけたとしてもタイトルと表紙だけなら絶対に手に取らなかっただろうな。良いご縁。 以前、もしかしたら聞いた...
これまた荒木博之さんのVoicy、マイブックカフェのコーナーで紹介されていて気になっていた本。 こちらを紹介された方が、本当に本の説明、魅力を伝えることが巧みで、本屋さんで見かけたとしてもタイトルと表紙だけなら絶対に手に取らなかっただろうな。良いご縁。 以前、もしかしたら聞いたことはあったのかもしれないが、アパラチアン・トレイルという単語を初めて認知した。 アメリカ合衆国東部、アパラチア山脈に沿って、北はメイン州のガターディン山から、南はジョージア州のスプリンガー山まで伸びる、全長約3500キロの長距離自然歩道らしい。この距離に最初は全然ピンときてなかったんだけど、訳者の方のあとがきで、下関市から青森市を往復できる距離…とあり、シンプルにびっくりした。 著者は5ヶ月かけて、このトレイルを踏破(全行程を何ヶ月もかけて歩くひとをスルーハイカーと呼ぶらしい)し、その旅の中でトレイル…道についての深遠な問い、考察などを得る。 世界最古のトレイルの化石観察から始まり、そもそも動物はなぜ動き始めたのか?昆虫のコロニーが作るトレイルのネットワークについて。4つ足哺乳類の移動、彼らを狩猟し飼い慣らし研究することが人類の発展にどう影響したか。そして古代人類社会がいかにして道とネットワークをはりめぐらせ、それがいかにして言語から文化に昇華してきたか。さらにはアパラチアン・トレイルなどの長距離トレイルが誕生するまでの経緯、さらにメイン州からモロッコに至る世界最長のハイキングトレイルを辿り、テクノロジーが結ぶ人々の新しい繋がりを描く。 そんなわけでプロローグの数行、わたしからは最も遠いアウトドアな話かと思っていたが、プロローグを読み終わる頃にはトレイルについての興味がものすごい勢いでわいてきた。 正直言うと、本著の中に出てくる膨大な地名、人名、著作名はほとんどがまったく馴染みのないカタカナ表記で読み通すのに苦労したのだが、この読書自体がわたしにとってのトレイル…道、のアナロジーになっている。本当に示唆深い。 最近自分的ホットトピックである、世界を認識する上でのキーになるであろう「信仰」にも繋がる話で、 難しいけれど、 全然消化しきれないけれど、 読み通して良かったし、思い返せば全編通してとにかく面白かった。 考えてみればこの本だけでなく、読書自体がトレイルを辿る行為とも言える。 いや、「本」自体がそうなのかも。 なんとなく、「読んでない本について堂々と語る方法」について思い出したりした。 ともあれ、アパラチアントレイルのスルーハイクに比べればめちゃくちゃ低いハードルなので、何度か踏破してみよう。 今はまだ、ぼんやりとしか言語化できないけど、再読していくうちに自分なりに世界を認識するためのわりと理想的なトレイルが出来上がるかもしれない。
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著者の道についての探求の旅をまとめた本。 原初の生物、虫、動物、人間と様々なテーマについて深掘りすべく、多くの場所に出向き、たくさんの専門家と話をしながら進めていく。かなりのボリュームがあるので、ちまちま読んでいたがようやく読み終わった。印象に残るエピソードが多かった。読後は銃病...
著者の道についての探求の旅をまとめた本。 原初の生物、虫、動物、人間と様々なテーマについて深掘りすべく、多くの場所に出向き、たくさんの専門家と話をしながら進めていく。かなりのボリュームがあるので、ちまちま読んでいたがようやく読み終わった。印象に残るエピソードが多かった。読後は銃病原菌鉄やサピエンス全史を読み終わった時のような、そこまでではないものの、中々の満足感がある。 wildernessについての記述を少し。 かつてはヨーロッパからアメリカへの入植者が用いていた。未開で野蛮であり、開拓して征すべき地帯を指す言葉として。一方で先住民族には生きているフィールドそのものでありwildernessに相当するものはない。農業や畜産をして囲いを作って家を持つ入植者しか使わない用語である。入植者はいつしか未開地がなくなると今度は逆にそれを囲ってwildernessをある種守るべき神聖なものとして使うようになった。 エピローグにて、トレイルとwildernessについて、ある老人との会話、古代中国の賢者の詩を交えながら著者が結論はとても興味深く、読後感がかなりよかった。
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