ブランド戦略論

田中洋(著者)

• 販売会社／発売会社: 有斐閣
• 発売年月日: 2017/12/01
• JAN: 9784641165106

商品レビュー

2024/10/10

第1章　ブランドをめぐって
本書はブランドを「交換の対象として商品、企業、組織に関して顧客が持ちうる認知システム」と定義する

第6章 フェーズ1 ブランド構築の基礎
p.109 ブランドの構想は、次の4つの要素からできている。
(1)事業カテゴリー：どのように事業をなすべきか、どのような市場に参入するべきか
(2)商品性能・機能：その商品はどのような機能や性能を保つべきか。
(3)顧客と事業ミッション：誰に対して何をなすべきか。
(4)事業の意味と意義：その事業は社会や生活者にとってどのような意味を持っているのか。

p.210 ブランドにパーソナリティを付与するためには、「ブランドの擬人化」という考え方も併せて考える必要がある。人格=パーソナリティとは、外部からの刺激に対する一定の、一貫したパターンとも考えることができる。例えば、タバコのマールボロはおいて、CMの登場人物であるカウボーイは決して話さない寡黙な存在であることは一貫していた。

第8章　マーケティング•レベルのブランド戦略
p.155 セグメンテーションする目的とは、より効率的にマーケティング活動を行うことである。同じような行動パターンや志向性をもったセグメントを発見し、そこに集中的にマーケティングを行っていくのがマーケティングの本質的な行動の一つなのである。

第7章　経営レベルのブランド戦略
p.125 なぜブランドに「テリトリー」が必要なのだろうか。それはブランドが、市場のどこから収益を得るのか、市場のどこに企業資源を集中させるかなど、生物の「縄張り」と同じく、ブランドも成長し、増殖し、また、競合からの政劇や侵攻から自らを護るために、安定的に縄張りを必要としているからである。

第9章 フェーズ4　コミュニケーション・レベルのブランド戦略
p.185　このためブランド名は記憶しやすく、早期しやすいことが求められる。

第10章 フェーズ5 ブランド戦略の実行と管理
p.223 営業とブランドの関係とは、1.営業がブランド価値を用いる局面と、2,営業がブランド価値を支援し育成する局面との2つがあることがわかる。営業活動とブランド戦略とは実際に密接な関係にある。

第14章 ブランド戦略の諸想
p.301 台湾の研究者たちは、無印良品ブランドを分析して、台湾の消費者は、無印良品ブランドに以下の価値観=ブランド・イマジネーションを抱いていることを明らかにした。1.心地よさ、2.テイストの良さ、3.自然への愛、4.顧客経験とカルチャー。つまり、無印良品は商品を通じてこれらのポジティブな消費者の価値を実現しようとしており、ユーザーである消費者もそうした価値観に賛同し、そうした価値観の実現という点で一致している。

2024/06/05

配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
https://www.cku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?AL=01427913

2022/05/24

ブランドとは何か？なぜ必要なのか？商標との違いなど、ということについてわかりやすく解説されていました。中でも当たり前なのですが、ブランド誕生の発端ともいえるパッケージの重要性には納得感があり、また最後の章の事例集は、具体的で分かりやすかったです。いかに世の中の隠れたニーズを汲み取って事業の発展につなげるか、このコロナ禍で、随分変わった働き方など、今もいっぱい、将来の事業の種は転がっているように読んでいて感じました。