![ありふれたものの変容 芸術の哲学](https://content.bookoff.co.jp/goodsimages/LL/001897/0018975045LL.jpg)
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 慶応義塾大学出版会 |
発売年月日 | 2017/10/01 |
JAN | 9784766424843 |
- 書籍
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ありふれたものの変容
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ありふれたものの変容
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商品レビュー
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1960年代初め、アンディー・ウォーホルの《ブリロ・ボックス》が「芸術」として提示されたとき、このような、平凡なものと区別のつかないアート作品の出現が、新しい芸術の理論を要請した。本書は、その理論的構築のために捧げられた20世紀美学の名著である。 ダントーは、芸術の理論に属するも...
1960年代初め、アンディー・ウォーホルの《ブリロ・ボックス》が「芸術」として提示されたとき、このような、平凡なものと区別のつかないアート作品の出現が、新しい芸術の理論を要請した。本書は、その理論的構築のために捧げられた20世紀美学の名著である。 ダントーは、芸術の理論に属するものを、伝統的にそれと混同されてきたものから区別しようと試みる。そして、芸術の表象を独自に解釈し、メタファー、表現、様式を体系的に説明する。ウォーホル、リキテンスタイン、セザンヌ、ジャコメッティ、ブリューゲル、ボルヘス、カポーティ、荒川修作……豊富な例を引きながら、なぜ「ありふれたもの」が「芸術」に変容したのか、芸術をどのように定義できるのか、哲学的に明らかにしていく。
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本書はブリロボックスなどのありふれたものが芸術性を帯びる理由をさぐることで、なにが芸術でなにがそうでないかを丁寧に検討していく。 芸術性とは、必ずしも美的鑑賞に耐えうるものではない。または必ずしもアートワールドによって認められたものではない。芸術作品のもつ本質は、仮に外見上まった...
本書はブリロボックスなどのありふれたものが芸術性を帯びる理由をさぐることで、なにが芸術でなにがそうでないかを丁寧に検討していく。 芸術性とは、必ずしも美的鑑賞に耐えうるものではない。または必ずしもアートワールドによって認められたものではない。芸術作品のもつ本質は、仮に外見上まったく同様の作品があったとしてもなお、ホンモノにだけ残存する何ものかである。ダントーはそれを作品に込められたレトリックやメタファーなど、人の企図に求める。本書では棟方志功の企図に触れる場面がある。全く彫らずに刷った版画の黒と比べながら新たな作品を彫るということは、彫らなかった版画に対してただの墨には存在しないメタファーを見ているのだ。たとえば私たちが河原で拾った石や流木を床の間に飾るとき、または身近なありふれた道具が大切な思い出でになるようなとき、きっと似たような感覚を抱いているだろう。真、善だけでなく、やはり美も哲学の領域であることをあらためて知る。
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