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保守の真髄 老酔狂で語る文明の紊乱 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2017/12/13 |
JAN | 9784062884556 |
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保守の真髄
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アメリカ人に同胞が大量に撃たれ、空襲で一般市民たちが焼かれたことを考えると、感情ではなく、アメリカのやり口には一定の批判精神、マナーとしての反米を絶やさずに持ち続けたい。p.96 西部邁(にしべ・すすむ)『反米という作法』2002 左翼とは自由・平等・友愛・合理という価値に強く...
アメリカ人に同胞が大量に撃たれ、空襲で一般市民たちが焼かれたことを考えると、感情ではなく、アメリカのやり口には一定の批判精神、マナーとしての反米を絶やさずに持ち続けたい。p.96 西部邁(にしべ・すすむ)『反米という作法』2002 左翼とは自由・平等・友愛・合理という価値に強く執着し、根本から疑うことを絶対にしない類の思想のこと。左翼にとって現実とは変革にたいする制約条件であり、旧体制の維持がその目的になることはない。▼「反政府」と「反国家」は同じではない。西部邁『どんな左翼にもいささかも同意できない18の理由』2013 新自由主義を支持する人は保守ではない。普遍的な原則に基づく画一的でグローバルな世界よりも、国民国家から構成されるモザイク状のインターナショナルな世界の方がいい。▼アメリカ(ブッシュ政権)は各国の歴史や多様性を顧みずに、原理原則(自由や民主主義)を世界に画一的に広めようとしている。▼現行憲法は「普遍的」人権を謳っているにもかかわらず、最貧国の人々の生活は保障していない。そんなことをすれば、国家自体が成り立たない。だから普遍的人権は空文に等しい。理性だけで現実の世界を設計することはできない。▼ルソーの一般意志・マルクス主義・新自由主義はいずれも合理主義に基づいた改造であり、秩序を破壊するもの。中野剛志『保守とは何だろうか』2013 ★4 松下政経塾。人間社会の複雑さや歴史の継続を軽視、技術知の適用で問題が解決できると考える傾向。p.31 中島岳志『リベラル保守宣言』2015 ★4 冷戦は競争的・自由主義的な進歩主義アメリカと、計画的・平等主義の進歩主義ソ連の対立だった。どちらも進歩主義。佐伯啓思さえき・けいし『保守のゆくえ』2018 ***************** 西部邁『思想の英雄たち』★3 佐伯啓思『日本の愛国心』★3 中島岳志『NHK「100分de名著」ブックス オルテガ 大衆の反逆』★4
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モダンの訳語は近代的ではなく、「模流」である。明治維新後、日本は西欧を模倣し、社会を築いてきた。それが特に戦後さらに社会に表面化し、ここ30年に至ってはマスメンたちが流されるままに社会を変革してきた。理想を求めれば格差や軋轢が生じ、現実主義ばかりでは自由や権理が埋没する。その間に...
モダンの訳語は近代的ではなく、「模流」である。明治維新後、日本は西欧を模倣し、社会を築いてきた。それが特に戦後さらに社会に表面化し、ここ30年に至ってはマスメンたちが流されるままに社会を変革してきた。理想を求めれば格差や軋轢が生じ、現実主義ばかりでは自由や権理が埋没する。その間には平衡が必要であり、活力、公正、節度、良識の観念をその国家の伝統から導き、その具体化について状況の中で試行錯誤しながら吟味することが要求される。 私はここ30年程度の状況しか見ていない世代であり、戦後の時代の流れを一部しか実感できてはいない。しかし、リーマンショック後、日本以外では行き過ぎたグローバリズムを抑制する動きがある中で、この国ではその中でも構造改革を推進し、国民が結果的にそれを支持している。少数の意見は排除され、無関心が慣習となり、多数者の専制が行われている。オルテガが言うように「絶望するものの数が増えることだけが希望である」のかもしれないが、国家や政治について議論をするのがタブー化している状況では先は明るくない。 さて、相変わらず著者の記述にはカタカナ語も多く読むのに苦労するが、著者が生きていれば、このコロナ禍やウクライナの状況をどう評論していただろうか。世の中の状況を的確に厳しく評論する人が少なくなっている中で惜しい人を亡くしたものである。 本書の中で、著者と私の意見が異なるものの1つで、核武装論を著者は唱えているが、勿論その議論はあって然るべきだが、核保有が周辺国への抑止力に果たして繋がるのだろうか。核があろうがなかろうが、国家として侵略や武器の使用は起こりえるし、核を含めて国家の防衛、安全保障全体、そして現憲法を議論し、考える。その環境をまずを整えなければならないと感じる。
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西部氏の最後の本である。まるで遺書のようでもある。筆者ではなく述者と自らをよんでいる口述による本である。とは言え、かつては『朝まで生テレビ』や佐高信氏との番組(番組名は忘れた)など、話すことが達者な方で、昔見たテレビでの語り口を思い出す。 言葉の豊富な方なのだが、やたらカタカナが...
西部氏の最後の本である。まるで遺書のようでもある。筆者ではなく述者と自らをよんでいる口述による本である。とは言え、かつては『朝まで生テレビ』や佐高信氏との番組(番組名は忘れた)など、話すことが達者な方で、昔見たテレビでの語り口を思い出す。 言葉の豊富な方なのだが、やたらカタカナが多い方で、テレビでもテロップが出ていた記憶がある。本書も()だらけで、文章としては最悪。 安倍晋三氏を評して「陋習とそうでないものを峻別しながら伝統を守るのが保守。故に保守ではない」といったそうだが、カタカナで話す西部氏に陋習な知識人を感じる。でも、米国大好きの安倍晋三氏が日本国憲法をGHQ憲法だというのは、岸・鳩山の陋習であると思うので、西部氏の指摘もあながち間違えではない。 〇〇イムズで語ることが好きな人だったのだな。と思うのが読後感である。だけど何が言いたいのかさっぱりわからない。要はエドマンド・バークのように悪し平等は嫌いだといいたいのか。現代人が馬鹿だとののしりたいのか。知識の豊富さには頭が下がるが、西部氏の言う「矛盾に切り込む文学のセンス」も「矛盾に振り回されない歴史のコモセンス」もまるで感じませんでした。 今、西部氏を偲ぶのは、むかしテレビで見た一瞬のひらめきのような言葉と、ふてぶてしいお顔です。 ご冥福をお祈りいたします。
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