商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2017/11/01 |
JAN | 9784309026299 |
- 書籍
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アリと猪木のものがたり
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アリと猪木のものがたり
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「プロレスとは他に比類のなきジャンルである」 「私、プロレスの味方です」で作家デビューした著者。 プロレスを語ることを大きな文化にしていった先駆者だった。 「そして、私は過激なプロレスの味方です」 その熱は、プロレス実況の古舘伊知郎に。 そして、週刊プロレスなどを通して大きな...
「プロレスとは他に比類のなきジャンルである」 「私、プロレスの味方です」で作家デビューした著者。 プロレスを語ることを大きな文化にしていった先駆者だった。 「そして、私は過激なプロレスの味方です」 その熱は、プロレス実況の古舘伊知郎に。 そして、週刊プロレスなどを通して大きなうねりとなった。 その著者がやり残したことがあるという。 2016年に逝去したボクシング世界ヘビー級チャンピオン モハメド・アリ。 アリは現役のチャンピオンだった1976年に、日本でプロレスラーのアントニオ猪木と対戦している。 その試合が、ゴールデンタイムで再放送された。 「その両者の奇跡的実現とも言える試合が“世紀の凡戦”と酷評されたことに対して、それを迎え撃つ“言葉の弾丸”の持ち合わせがないゆえに撫でるようにしか触れることができず泣き寝入りを決め込んだのは、アリとイノキの両者に対する不誠実でもあり、作家としての時を紡ぐ中での、痛恨の極みと言える忘れ物であったのである」(「まえがき」より) 世紀のスーパースターの二人に、自身の体験と情念を絡ませながら、その深さに肉薄していく。 「アリもそうだし私もそうですが、二人にしかわからない感じというのがあるんでしょうね。まあ、人間というか、アントニオ猪木というよりもモハメド・アリというより、そういうものを飛び越した超越したみたいなものの力の作用というものはね、まあ具体的に何だと言われてもちょっと答えようがないんですね。 だから、アリにしかわからない、私にしかわからないものがある。言葉では表現できないんですよね」(アントニオ猪木) アリと猪木の唯一無二の関係。 著者と猪木の友情。 アリにあこがれ続けた著者の熱き思い。 著者にしか綴れなかった、時間と空間を超えた壮大なロマンのものがたり。
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さすがに村松友視といったところ、とにかく文章にグイグイ引き込まれる。 前史としての力道山のストーリー。 試合に至るまでのアリと猪木のそれぞれの物語。 特に倍賞美津子の存在がクローズアップされてるのも面白かった。 そして、リアルタイムで村松友視が観た猪木・アリ戦ではなく、201...
さすがに村松友視といったところ、とにかく文章にグイグイ引き込まれる。 前史としての力道山のストーリー。 試合に至るまでのアリと猪木のそれぞれの物語。 特に倍賞美津子の存在がクローズアップされてるのも面白かった。 そして、リアルタイムで村松友視が観た猪木・アリ戦ではなく、2016年にアリの追悼特番としてノーカットでテレビ放送の観戦記が面白かった。 それにしても、アリのリップ・サービスにジャイアント馬場も食いついていたということを初めて知った。いろいろと発見がある。
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1980年に『私、プロレスの味方です』で作家デビューした著者は、その後の一連のプロレス関連作品を出す中、大きな忘れ物をしたという忸怩たる思いがあったと告白する。その忘れ物とは、『私…』を著した四年前に行われた猪木対アリ戦なのであった。著者は、当時この一戦について言葉を絞り出すこと...
1980年に『私、プロレスの味方です』で作家デビューした著者は、その後の一連のプロレス関連作品を出す中、大きな忘れ物をしたという忸怩たる思いがあったと告白する。その忘れ物とは、『私…』を著した四年前に行われた猪木対アリ戦なのであった。著者は、当時この一戦について言葉を絞り出すことができず、作品の中で触れることができなかった。そして、この一戦から40年が経ち、アリが亡くなったことをきっかけに、ようやく触れることができたと言う。そして出来上がったのが本書だ。プロレス者としては、この前段だけでもう完全にやられてしまった。 過去のプロレス関連作品に再三触れるなど、前半は多少冗長気味なところもあるけれども、それは著者が作家としての立場を少しだけ横に置いて、プロレスファンの流儀にのっとって書いたと考えれば、スッと腹に落ちる。それでも、この一戦の再放送を見ながらラウンド毎に両者の表情や動きを記した第6章は、さすが文芸作家と言える筆致だ。ワタシももちろん、この試合のDVDを見返したのだが、著者の観察眼の鋭さと、それを表現する絶妙な言葉の使い方にはもう唸りっぱなし。中でも、第10ラウンド終了時の「アリとイノキの双方とも、その表情に一級品性をあらわしはじめた」という一節が印象的だ。 そして、最後の第7章もこの本の読みどころ。1995年に北朝鮮で「平和のための平壌国際スポーツ文化祭典」を開催した猪木。この章は、その猪木からの誘いを受けて同大会に参加した著者が、アメリカ政府の大反対を押し切って同大会に立会人として参加したアリとの遭遇について綴っているのだが、これが良質な私小説のような趣き。第6章同様、作家としての立場をしっかり元に戻して、本書をきれいに締めくくっている。
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