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名画の中の植物 〈美術の植物学〉への招待
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名画の中の植物 〈美術の植物学〉への招待

大場秀章(著者)

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名画の中の植物 〈美術の植物学〉への招待

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 八坂書房
発売年月日 2017/09/01
JAN 9784896942408

名画の中の植物

¥2,420

商品レビュー

3.7

3件のお客様レビュー

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2024/07/14

現代日本における植物学の第一人者である著者による、植物に着目した絵画解読鑑賞本。 植物が絵画の添え物扱いであったり、種を同定できるまで緻密に書き込まれたりと変遷と歴史文化背景を学べる。 初めて知ったのは、ヤン・ブリューゲルの時代において、花は画稿料より高価だった。そのため、部屋...

現代日本における植物学の第一人者である著者による、植物に着目した絵画解読鑑賞本。 植物が絵画の添え物扱いであったり、種を同定できるまで緻密に書き込まれたりと変遷と歴史文化背景を学べる。 初めて知ったのは、ヤン・ブリューゲルの時代において、花は画稿料より高価だった。そのため、部屋を彩る花の絵を求める人たちがいた。 さらに、イギリスにおいてカーテンや壁紙などに植物柄が多いのも花が希少で高価だったからということ。 興味をひかれたのは、フェルディナント・ヴァルトミューラーの19世紀初頭、ツバキは冬のバラと称されたが、温室が不可欠なため高価で憧れの花だった。 この時代は作家デュマ・フィスが椿姫を執筆したと重なる。 私は、ツバキの花が落ちる様を若くして亡くなる女主人公の薄幸と重ね合わせていたのだが、フランス人にはそのような感覚は無いのだろうか。 だとしたら、la dame aux cameliasの題はすごい偶然だし、最初の翻訳者は素晴らしい訳題を着けたものだと感心した。

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2024/02/11

15の名画に注がれるのは、植物学者の眼差し。 どんな植物が描かれているのかを考察し、解き明かす。 ・まえがき ネブアメンの狩猟図 庭園図 パラダイスの小園 プリマヴェーラ(春) 植物の習作 一群のキバナノクリンザクラ アイリスのある花束 マリー・アントワネットの肖像 ゲットウ(「...

15の名画に注がれるのは、植物学者の眼差し。 どんな植物が描かれているのかを考察し、解き明かす。 ・まえがき ネブアメンの狩猟図 庭園図 パラダイスの小園 プリマヴェーラ(春) 植物の習作 一群のキバナノクリンザクラ アイリスのある花束 マリー・アントワネットの肖像 ゲットウ(「フローラの神殿」より) 誕生日のテーブル 白のシンフォニー№2:リトル・ホワイト・ガール 花瓶のそばで肘をつく女 フローラ カーネーション、ユリ、ユリ、バラ 陽気なおどけものたち ・あとがき 主な参考文献、索引有り。 メイン画像はカラー、補足画像はカラーとモノクロ。 描かれた植物は何か。描かれた当時の植生と自然環境は。 描かれた理由や意図は。描かれた時代と背景は。 名画の中にひっそりと、または堂々と画面いっぱいに 描かれる植物。それを調べると分かる、様々な事を解説。 宗教画の影響で長らく描かれたのは、バラとユリ。 それが交易で入ってきた東洋の美術工芸品の影響で、 様々な植物が描かれるようになる。 絵の代金よりも植物の価格が高かった時代もある。 画家と植物学者が結びついて生まれた、ボタニカルアートも。 ボッティチェリ「プリマヴェーラ(春)」は春の花が僅か。 ヴァルトミュラー「誕生日のテーブル」はツバキ主体。 ドガ「花瓶のそばで肘をつく女」はほとんどがキク科。 イーヴリン・デ・モーガン「フローラ」は日本から もたらされたビワの木が目立つ。 ジョン・シンガー・サージェントの 「カーネーション、ユリ、ユリ、バラ」には 日本から輸入されたヤマユリの姿。 アンリ・ルソー「陽気なおどけものたち」のジャングルは デフォルメだが実に写実的に様々な植物が描かれている。 著者は画家、絵画や画法に関する知識も豊富。 サージェントの「マダムX」以降についての話は、 なかなか興味深いものでした。

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2019/01/02

風景画には当然のごとく植物が描かれているし、人物画であっても「背景」として植物が描かれることはしばしばある。 そして鑑賞者である私たちは、その描かれた植物たちにさほど関心を払わない。 あたかも空気のごとく。 本書はそんな、スルーされてしまいがちな植物に焦点を当てた本である。 い...

風景画には当然のごとく植物が描かれているし、人物画であっても「背景」として植物が描かれることはしばしばある。 そして鑑賞者である私たちは、その描かれた植物たちにさほど関心を払わない。 あたかも空気のごとく。 本書はそんな、スルーされてしまいがちな植物に焦点を当てた本である。 いい加減に植物を描いた画家もいれば、かなり正確に描いた画家もいる。 ピーター・ヘンダーソンは植物学者である著者から見ても「高いリアリティーを示」(68頁)しているそうだ。 そしてさらに植物を大きく描いた後ろの、つまり背景も驚かされる。 ジョン・シンガー・サージェントと言えば『マダムX』が有名だが、表紙にもなっている百合と提灯のあるジャポニスム絵画も惹きつけられる。 ラファエル前派においても百合は度々登場するが、印象派に近い描き方をするこの絵画の方がわたしは好みだ。 アンリ・ルソー! マグリットと並び大好きな画家! ヘタウマ、なんて言ったら失礼だが、彼の描く絵はまさに代表作、『夢』のようだ。 彼の現実を、彼は自分の絵画、夢の中に持ち込まない。 実在とは遠いけれど、だからこその魅力。 実際には、植物園に足繁く通い、本物を知っていたようだが、植物を誇張、デフォルメすることで、独特の世界観を作り上げたようだ。 自分はもっと評価されてもいいはずだ、と彼は信じて止まなかったと言われているが、彼の「思い込み」は本物だったようだ。 彼が描いたのは命という無限の夢。 個人的には、大回顧展を開いてほしいと思う画家の一人だ。 (以前も書いたが、二人のアンリ:ルソーとマティスを並べてほしい。きっと色々な意味でクラクラするはずだ)

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