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〈女帝〉の日本史 NHK出版新書529
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NHK出版 |
発売年月日 | 2017/10/01 |
JAN | 9784140885291 |
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〈女帝〉の日本史
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〈女帝〉の日本史
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商品レビュー
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4件のお客様レビュー
原武史の『皇后考』では、明治以降の歴代の皇后が神功皇后と光明皇后を参照しながら皇后としてのアイデンティティを確立したことが述べられていた。 本書では考察の対象となる時間・空間が拡張され、古代からの日本での「女帝」のあり方と、中国、韓国、沖縄などの「女帝」について触れられている。...
原武史の『皇后考』では、明治以降の歴代の皇后が神功皇后と光明皇后を参照しながら皇后としてのアイデンティティを確立したことが述べられていた。 本書では考察の対象となる時間・空間が拡張され、古代からの日本での「女帝」のあり方と、中国、韓国、沖縄などの「女帝」について触れられている。 序章と終章から、著者が本書を書いた理由が、日本の女性の政治進出が進まない事へのいらだちがあるように読めて、興味深かった。 あとはメモ。 ・明治以降の皇后が影響を受けた光明皇后は、唐の武則天を見習っていた ・「血の穢れ」の概念は奈良末期から平安初期に、中国からの影響でうまれた ・平安時代の摂関政治時代も、実は皇太后が政治的権力をもっていた
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書名の「女帝」とは狭義の「女性天皇」ではなく、皇后・皇太后・女院・准母などの女性皇族・王族や武家政権の御台所を含む広義の女性権力者・実力者総体を指す。なぜ日本では旧儒教圏諸国と比べても女性の政治進出が進まないのかという問題意識を前提に、古代から現在までの「女帝」たちの歩みを政治...
書名の「女帝」とは狭義の「女性天皇」ではなく、皇后・皇太后・女院・准母などの女性皇族・王族や武家政権の御台所を含む広義の女性権力者・実力者総体を指す。なぜ日本では旧儒教圏諸国と比べても女性の政治進出が進まないのかという問題意識を前提に、古代から現在までの「女帝」たちの歩みを政治史的・思想史的に、特に朝鮮や中国の歴代王朝との比較を交えてたどっている。著者の専門は近代天皇制なので、前近代に関しては他者の先行研究の切り貼りで、壮大なグランドデザインに対応するだけの論理性・実証性は薄い。 結局のところ、朝鮮や中国では近世以降も「垂簾聴政」が常態化したのに対し、日本では徳川幕府は女性を政治から締め出し、近代天皇制は女性を「母性」役割に封じたことが女性の政治進出度の落差につながっていると考えているようだが、それを論証するには、近代・現代の韓国・朝鮮や中国・台湾における女性と政治の関係の歴史的分析が極めて不十分であろう。私見では古代・中世まで遡るような問題よりも、現代の政治体制の問題がやはり決定的な要因だと思われる(特に韓国・台湾では複数政党制による政権交代の制度化に成功したのに対し、日本では家父長制・父系世襲制に立脚する自民党の一党支配が続いている点)。
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今上天皇の「おことば」を受け、平成が終わろうと、そして新しい世になろうとしている。 そこで登場するのが、現皇太子後の天皇の問題だ。 万世一系、男系による皇位継承がずっと保たれてきた、というのが保守派の意見だが、それに異議を唱えるのが本書の立場だ。 事実を事実として認め、有益な視座...
今上天皇の「おことば」を受け、平成が終わろうと、そして新しい世になろうとしている。 そこで登場するのが、現皇太子後の天皇の問題だ。 万世一系、男系による皇位継承がずっと保たれてきた、というのが保守派の意見だが、それに異議を唱えるのが本書の立場だ。 事実を事実として認め、有益な視座を提供する(序章より)ことが本書の目的である。 読んでみると、なら、平安までは女性が男性とほぼ同様に扱われていたのがわかる。 確かに院政が行なわれていても、女性は完全に蚊帳の外というわけではなかったようだ。 武家政治が始まっても、将軍の母などが力を持っていた。 一条兼良の『小夜のねざめ』では女性だからと言って卑下せず、北条政子らをモデルとして大いに政治に励むように激励している(136〜137頁)。 しかしそれが変わったのが大正期。 同じ本を題材にしながら全く逆の立場を主張する者が出てきた。 江戸期に女性の権力が封じられ、明治以降は皇后の「女性化」が進んだのだという。 終章、278〜279頁は是非とも心に留め置きたい。 男尊女卑という概念はもとより日本にはない。 これが日本の真の伝統だ。 「ジェンダー的役割分業観を歴史的に相対化する視点を養」うことはこれからの時代に当然の教養であり、それこそが未来を考える上で重要な土台なのである。
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