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熟女お手伝いさんと僕 ワンルームでふたりきり フランス書院文庫
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熟女お手伝いさんと僕 ワンルームでふたりきり フランス書院文庫

神瀬知巳(著者)

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熟女お手伝いさんと僕 ワンルームでふたりきり フランス書院文庫

712

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 フランス書院
発売年月日 2017/09/25
JAN 9784829642511

熟女お手伝いさんと僕 ワンルームでふたりきり

¥712

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2017/12/11

作者が試みたと思しき2つの新要素

本作において作者は2つの新機軸にトライしているように思われる。 1.事実上の1人ヒロイン 実際は叔母の【あゆみ】29歳も出てくるのだが、官能的には最後にしか出番がなく、タイトルに示されたお手伝いさん【百合子】36歳の事実上の1人ヒロインと言える。主人公の幼少期に奉公してい...

本作において作者は2つの新機軸にトライしているように思われる。 1.事実上の1人ヒロイン 実際は叔母の【あゆみ】29歳も出てくるのだが、官能的には最後にしか出番がなく、タイトルに示されたお手伝いさん【百合子】36歳の事実上の1人ヒロインと言える。主人公の幼少期に奉公していた過去があり、つまりは知己の間柄。かつては母代わりでもあったが今は浪人生として、他にも訳あって一人暮らしを始めた主人公を支え、今度こそ合格させると意気込んで押しかけてくる。無償の慈愛を貫く百合子に主人公は異性を意識するも、あくまでも受験のサポートであり、何より一時的な家政婦さんでもあるため、すぐに男女の仲になるでもなく、模試の結果によって「ご褒美」が徐々に施される流れとなっていく。献身的で慎ましい百合子だけに上段から見下ろすことはなく、あくまでも主人公の求めに応じる形。事務的にすら感じることもあるが、その裏に秘められた百合子の真意は後に判明する。ただ、6章立ての第四章までがそうした戯れに終始するため、いろいろとシチュエーションを変えたりコスプレを取り入れたりしているものの官能的な物足りなさは否めない。また、普段の作風と似通ってはいるのだが、何となく普段との違いをも感じながら読み進めることになる。 2.主人公視点のモノローグ その普段との違いは、主人公の視点で物語が進んでいることだった。この作者が得意とする括弧書きのモノローグはヒロインの心情を描くのが従前のスタイルだが、本作では第四章までの全てを主人公の心の声としている。ヒロインは対象であり、その心情を推し量れないほど客観視されている。おそらく第五章からのクライマックスを盛り上げるための布石だと推測するが、これもまた作者が新たに試みた筆の進め方だと思う。基本的な作風を踏襲しながら変化をつける意味では悪くない。そして、次の模試でA判定を獲得することで遂に交合を約束する第五章から満を持して普段通りのヒロイン視点に移行するのである。 全体の約2/3をも費やしてからようやく結ばれるために読み手も相当焦らされるのだが、それだけに合体の破壊力はなかなかのもの。普段のスタイルになったことで筆の進みも良いのか展開も滑らか。ここまで引き絞りに絞った弓から一気に矢が放たれたかのような密度の濃さがある。過去の経緯も含めた百合子の真意を絡めつつ恋人のような愛人のような関係を喜ぶのは「ママ」にして「オンナ」を享受した念願の成就でもあろう。惜しむらくは、その時がもう少し早く訪れてほしかったところか。 あゆみの扱いも主人公が秘めていた(百合子に見抜かれていた)想いからすれば存在感が足りない気がする。サブタイトルのごとき百合子との「ふたりきり」の描写に頁を割いた皺寄せが急ぎ足に感じた結末の誘因に思えてならない。

DSK

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