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ラブセメタリー
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ラブセメタリー

木原音瀬(著者)

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ラブセメタリー

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 集英社
発売年月日 2017/08/25
JAN 9784087711189

ラブセメタリー

¥1,430

商品レビュー

4.1

27件のお客様レビュー

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2024/09/17

同性愛者で小児性愛者の久瀬と小学校教師である小児性愛者の森下、この2人の小児性愛者の苦悩や葛藤などが綴られていく。 作品ジャンルとしてはBLと語られることもあり、序盤は久瀬と久瀬に思いを寄せるゲイの町田の絡みが繰り広げられるがそれ以降は小児性愛をメインとして話は進行していく。 森...

同性愛者で小児性愛者の久瀬と小学校教師である小児性愛者の森下、この2人の小児性愛者の苦悩や葛藤などが綴られていく。 作品ジャンルとしてはBLと語られることもあり、序盤は久瀬と久瀬に思いを寄せるゲイの町田の絡みが繰り広げられるがそれ以降は小児性愛をメインとして話は進行していく。 森下が子供に手を出す描写や本人の思考回路が異質で多少の恐怖すらも感じた。

Posted by ブクログ

2024/02/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

面白かったが、なんとも後味がほろ苦くて後を引く。 有名な作家さんだし名前は知っていたので手に取ってみたけど、噂に違わぬストーリーの重みだった。しかし文章にクセがないのと、連作短編集なので繋がりを発見したときの何気ない嬉しさとかもあり、ついつい読んでしまう。 「ラブセメタリー」 どこか切ない味わいで、短編としてシンプルに出来が良いと感じた。望まず小児性愛者に生まれた圭佑への多少の同情と、三十路をとっくに越えたゲイの微妙な息苦しさと、町屋くんのあっけない恋の結末が流れるように展開されていて引き込まれた。 「あのおじさんのこと」 本気で苦しんで精神科にまで行く圭佑と開き直って子供に猥褻行為を働き続ける伸さんの違いはなんだろうと思ったけど、結局圭佑も自身の欲望をこらえきれてなんかいなかったことがわかる。周りの人間には伸さんがいい先生にしか見えていない不気味さ、人間の底知れなさみたいなものを取材の中で知っていった伊吹も実は「自分もおじさんの性的な視線に無知で、おじさんのことを何もわかっていなかった」と理解してしまう。伊吹の中で裏返る世界観や楽しい思い出が反転して不快に変わるあっけなさが伝わってきた。 圭佑も苦しんでいたのは確かで、それで隠し通せていたのなら二人は「いい関係」を保てたまま何も知らないままに終われたのだろうかと思った。 それってとんでもない道化だ、とも。 「ぼくのライフ」 伸さんの真実が明かされる章。ホームレスの暮らしが多少快適にも移るのが不気味。落ちていった先でたどり着いた場所にもはや慣れてしまう。 そんな落ちぶれた暮らしの中で悪人に成り果てた彼の数奇な人生は部外者目線だと面白くもある。だがやはり子供を買うことを合意だの懐いてくれるだのと表す感性はやはりいただけない。認知が歪んでいる。 さくらとの恋(と呼んでいいものか)の部分が個人的には好きだった。父親にさえも性的に利用され、学校にも居場所はなく、愛に飢えていたさくらが必死に先生を慕う姿が哀れで可愛らしかった。分別のつかない子供だから先生に従っていたと思っていたさくらが実はとっくに大人たちから押し付けられた性を知っていたのだと明かされる場面が悲しい種明かしのようで、印象的だった。 しかしその告白が伸さんの理屈立てに利用されただけだったのはあまりにも残酷だった。 彼が自身の歪んだ性欲の自己正当化のために子供を過剰に神聖視しようとする様は醜く軽蔑に値するし、痛々しい。 「好きなのに理由はない」だけなのではないか? 理由なんて後付けで、本当に生まれつきどうしようもなく子供にしか興奮できない彼はどう生きれば良かったというんだろう。 いや、それでもやはり「自制しろ」の一言なのだが。 現実世界を生きる一人の読者として彼の所業を許してはならないと感じる。フィクションとしては興味深いが、子供への搾取には断固としてNOだ。大人の性欲の苦しさは大人が自身で解消するべきだ。子供を巻き込んではいけない。 「エピローグ」 面白い。他人のことなんて何にもわかりはしないのだ。圭佑はずっと変わらず最低な人間のままだということも、「男の子だから」と油断していた息子が叔父さんにそういう目で見られていることも、外野から見れば圭佑が独身貴族の勝ち組でしかないことも、なにもかも事実だ。 面倒くさい家族と普通の暮らし、圭佑が羨んだこともあるだろうそれらだって決して楽なものなんかではないんだと感じた。 とうの圭佑(45歳)は依然として隙あらば少年にキスをするアカンおじさんで、矯正不可能のペドコンでしかないのに。 そんな皮肉な味わいをもったままこの本は終わる。 よくできた小説だが、安易な肯定はできない。その感想は変わらない。 だが「じゃあ彼らはどうやって生きればよかったんだよ」という問いはなぜか頭から離れない。許せない気持ちも変わりはしないのに。 「いつからこんなふうになってしまったのだろう」 きっとそれに尽きるのだと思った。 そしてその問いに答えなんてなかった。 タイトルの意味は「愛の墓地」らしい。 作品の中では色々な形で「愛」が失われていく。それを表したものなのかと解釈した。 たった一つの事実を知るだけでなにもかもが変わってしまう、愛もなにも裏を返せばどんなものだかわかりはしない不条理なものだ……という意味合いがある作品と受け取った。面白かった。

Posted by ブクログ

2021/07/21

子供への暴行を悪びれなく繰り返す男と、その衝動を抑えギリギリで踏みとどまっている男。対照的なふたりの小児性愛者を軸に、周囲の「ふつうの人」の目線を交えながらストーリーは進む。 小説なんだけど、物語というより、レポートというか、記録を読まされているような不思議な感覚になる文体で、...

子供への暴行を悪びれなく繰り返す男と、その衝動を抑えギリギリで踏みとどまっている男。対照的なふたりの小児性愛者を軸に、周囲の「ふつうの人」の目線を交えながらストーリーは進む。 小説なんだけど、物語というより、レポートというか、記録を読まされているような不思議な感覚になる文体で、その淡々とした感じが作品の不気味さ、被害者のやるせなさ、世の不条理さを際立たせているように思った。前者の、当たり前のように自分を正当化して被害者の子供の心情を全く省みない男の独白部分は胸くそ悪く吐き気がする。人によっては嫌悪感で読み進められないのではと思うほど、おぞましい虐待行為が描かれている。 そして、今のところ犯罪を犯していない後者にも、その言動に前者との共通点があり、いつ犯罪を犯すかわからない危うさもある。どちらの男も人間的に魅力的で他者から信用もあるが、隠している裏の顔は‥。 人物像の対比がとても上手い。 性犯罪という一線を越えるか越えないかの違いってなんなんだろう?犯罪を犯さないまでも、小児性愛者にもし生まれついてしまったらその人は一生日陰で生きていかなければいけないのか?でも、子供をそういう対象に見ることは絶体肯定されてはいけないし、今の社会では性犯罪者への罰が軽すぎる。など、答えの見つからない問いを提示された。私にとって忘れられない小説になり、打ちのめされて読んだ後しばらくボーッとしてしまいました

Posted by ブクログ

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