ニッポンの奇祭 講談社現代新書2441

小林紀晴(著者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2017/08/17
• JAN: 9784062884419

商品レビュー

2024/01/25

"奇祭"を古層の祭＝稲作以前の縄文的な祭と理解して、その最たるものであろう諏訪の祭を軸に、地方地方（日本の細部）の祭を写真家として観察する。諏訪が軸となるので非常にまとまりがあり理解しやすい。写真を撮る人の苦労も垣間見える。

2021/11/13

写真家・小林紀晴氏が訪れた、東北から沖縄までの〈祭り〉の様子を綴った旅行記のようなレポートのような一冊。

ご出身地の兼ね合いでか長野県の祭事の記述が多め。

祭りの起源だとか成り立ちについて書かれている訳ではなく、著者体験談や近くにいたおじさんからのお話だとかがメインにつき学術的になにか、という内容ではないかと。

扱っている祭りの数そのものも少なめ。

最大の気掛かりは肝心の写真が物足りない点。
新書ながら16ページ分もカラー写真を載せてはいるのだが、素人目にしても迫力や息遣い、ひいては『奇』をさほど感じられるものでないように思う。

岩手県奥州市の蘇民祭の写真は『奇』とは違う気がするがいい感じ。
なんならオビのパーントゥの写真が一番良いと思う。

1刷
2021.11.13

2020/08/12

カメラマン目線での、日本の祭りの追い方。大和王権による支配以前の時代を古層とみれば、古層の姿に独特で素朴な祭りの姿が見て取れる。
中央集権の支配の届かなかった地域、そして稲作が地域に、古層の姿が残っている。
諏訪出身者の、うちなる土着的なものとの再会の旅。