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エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層 ベスト新書543
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | ベストセラーズ |
発売年月日 | 2017/05/01 |
JAN | 9784584125434 |
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エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層
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エマニュエル・トッドで読み解く世界史の深層
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商品レビュー
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人類学者エマニュエル・トッドの理論を著者がわかりやすく解説した本。4つの家族類型(直系家族、絶対核家族、共同体家族、平等主義核家族)をベースに各国の特徴を分析する。それに加えて、識字率と出生率もポイントとなる。それによると、男性の識字率が50%を超えると社会変革の気運が生まれ、...
人類学者エマニュエル・トッドの理論を著者がわかりやすく解説した本。4つの家族類型(直系家族、絶対核家族、共同体家族、平等主義核家族)をベースに各国の特徴を分析する。それに加えて、識字率と出生率もポイントとなる。それによると、男性の識字率が50%を超えると社会変革の気運が生まれ、女性の識字率が50%を超えると出生率が下がり、社会が安定すると考えられる。トッドは女性の識字率向上から「テイク・オフ」と呼び、その地域、社会は近代化し、暴力性は失われたと推定する。 以上がトッドの理論の基本的事項だが、本書はこれらをもとに、今世紀における日本および世界の動向を読み解く。なかでも興味深いのが、今後の対中、対露対策である。これらはいずれも(外婚制)共同体家族で、政治体制としては共産主義、一党独裁資本主義である。これをふまえると、中国は中央集権体制が崩壊した場合、地方軍閥が台頭して、内戦状態に陥る可能性がある。それを防ぐためにも、日本は中国共産党を支持したほうが国益になるのだという。ロシアも同様で、現状はプーチンによる独裁政治で社会が比較的安定しているが、仮にプーチンが倒れた場合、ソ連崩壊時のように社会が混乱すると考えられる。
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エマニュエル・トッドは、フランスの歴史人口学者・家族人類学者。1976年に、10-30年以内にソ連の崩壊を人口統計学的な手法で予想し、注目された。ソ連は実際に1991年に崩壊した。 筆者の鹿島茂は、仏文学者で、明治大学教授。専門は19世紀のフランス文学。トッドの理論についての明治...
エマニュエル・トッドは、フランスの歴史人口学者・家族人類学者。1976年に、10-30年以内にソ連の崩壊を人口統計学的な手法で予想し、注目された。ソ連は実際に1991年に崩壊した。 筆者の鹿島茂は、仏文学者で、明治大学教授。専門は19世紀のフランス文学。トッドの理論についての明治大学での講義や演習を書籍化したのが本書である。 トッドは著作も多く、学問的には数多くの成果をあげているが、本書で主に説明されているのは、「4つの家族類型」という説明モデルである。 縦軸に親子関係の強さをとる。縦軸の上が親子関係が強く、下が弱い。親子関係が強いとは、親子同居(必ずしも全員という訳ではない。例えば長男だけとか末子だけとか)が発生し、また親の権威が(少なくとも建前的に)強い。親子関係が弱い場合には、核家族が主要な形態となる。 横軸に兄弟関係の平等さをとる。横軸の右側が兄弟関係が不平等、例えば、長男だけに相続が発生する。左側が兄弟関係が平等。 上記のような縦軸・横軸を持つ表を書くと、4つの象限が出来る。 第1象限は、親子関係強+兄弟関係不平等で、この家族の形をトッドは「直系家族」と呼ぶ。直系家族社会は、自民族中心主義・ファシズム的になりやすいとし、これにあてはまる国として、ドイツ・スコットランド・日本・韓国等をあげる。 第2象限は、親子関係強+兄弟関係平等。「共同体家族」と呼ばれ、共産主義・一党独裁型資本主義をとることが多い。例としてはロシア・中国。 第3象限は、親子関係弱+兄弟関係平等。「平等主義家族」と呼ばれ、共和主義・無政府主義をとりやすい。フランスのパリ盆地地方、スペイン中部、イタリア南部など。 第4象限は、親子関係弱+兄弟関係不平等。「絶対核家族」と呼ばれ、自由主義・資本主義となる。イングランドや北アメリカ等があてはまる。 トッドは、これらの家族システムこそが、社会の価値観を生み出すのであると主張した。 本書は、この家族システムの解説と、その理論を用いて、世界史・日本史上の出来事に説明を試みると同時に、今後の世界についての予想を鹿島茂が述べる形で、構成されている。家族システムについての解説を読むのは初めてであり、興味深かった。 また、今後の世界についての予想で、特に中国・ロシアにかかる部分が面白かった。中国・ロシアともに、「共同体家族」型であり、独裁政権のもとで、社会は安定しやすい。ロシアで言えば、スターリンの時代にソ連は発展し、その後、強い独裁政権が生まれない中で、ソ連は崩壊してしまう。崩壊後、プーチン独裁の時代になって、社会は安定し、経済も成長を始める。中国で言えば、共産党一党独裁、習近平の強権的な政治のもとで、中国経済は発展している。そこで問題は、当然、プーチンの後、習近平の後である。プーチンは1952年生まれ。習近平は1953年生まれ。まだ70歳前であるが、あと20年も30年もやれるわけではなく、彼らが亡くなった後、あるいは、失脚した後にどうなるのかに注目する必要がある、と筆者は説いている。
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最近(昔から?)よくエマニュエル トッドの名前を目にするので、入門編っぽい本と思って手に取った。第二章迄は凄く刺激的だったが、第三章以降は、こじつけかと思う点多々。 『というわけで』という接続詞で繋がっている箇所はだいたい違和感を感じた。
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