メビウスママのエッセンシュピールガイドブック ドイツで年に1度開かれる、世界最大級のボードゲームの祭典「エッセンシュピール」のガイド本

能勢真由美(著者)

• 販売会社／発売会社: スモール出版
• 発売年月日: 2014/06/01
• JAN: 9784905158189

商品レビュー

2014/10/11

エッセンシュピールとは何ぞや？とおっしゃるあなた。
ボードゲームはお好き？なんて、やりとりは、
多分この本を読まれる方には必要ないのだろう。

ボードゲームは今や、人狼に代表される
オトナの知的な遊び。

日本でもゲームマーケットという展示即売会が
幕張で開催され、メーカーも同人の製作者も、
プレイヤーも一堂に会する。

このような催しの最大規模のものが、
ドイツで開催されるエッセンシュピール。

日本のメーカーやデザイナーも参加しているし
最近では個人で参加される方も増えてきた。

でも、個人旅行でどうやって行ったんだろう？と思っても
特に資料などもない、ネットには記事が散見されるが。

ということで、水道橋のゲームショップ「メビウスゲームズ」
の代表者の奥様「メビウスママ」さんが書かれた旅行ガイド
がこれである。

展示即売会の常として、買うときの注意点。
予算オーバーしないためのリスト作り。
日本への戦利品の発送のコツなどが押さえてある。
雰囲気も伝えられている。

そして試遊してみることは出来るのか。
ゲーム大賞の発表の様子。
さらにはゲームデザイナーへのサインのもらい方まで
書かれている。まことにボードゲームファンの心を解する本。

これを読まないで行くよりは、はるかに読んでから行くほうが
充実するだろう。でも、普通のガイドブックも併読して予定を
お立てになることを、私はオススメする。

割りとどの記事も、あっさりした文でさらっと書かれてるので
解りやすいけど２度読むと、もうちょい情報がほしいなと
欲が出てくるので、そこは自分で補うのだ。

そしてそして。

巻末の執筆者やエッセンシュピールの参加者である
女性陣のみの座談会にあったように
エッセンシュピールだけで帰国しては本当に勿体無い。

なんで？答えは簡単。ヨーロッパは遠い。直行便があっても。
７時間や８時間はザラに飛ぶのだ。同じ時間数で飛んでも
何故かハワイのほうが近く感じる。

そして、名所も旧跡も、ちょっとぐらいは見た方がいい。
物見遊山ではなくていい。
綺麗な街をみて、美味しいもの食べて、
日本じゃない街の風情を味わったほうがいいからだ。

どうか会期の４日間プラス３日ほど予定を延ばして
旅程を組み、遠い場所に来た分のそぞろ歩きをなさっては？

となると…。
その情報源は、やはり通常のガイドブックのほうがいい。

宿の情報などはこの本にものっているけど、ここで紹介される
宿は会期中は同じ目的のベテランで塞がっちゃう可能性も
あるのだ。だとしたらどうする？宿探しするしかない。

美味しいレストランも載ってるけど、いっぱいかも？
あなたの好みに合わないかも？調べておけばいい。
そう、宿同様に。

航空券の買い方も予算を大きく左右するが、この本では
さらっとコメントされている。パスポートの準備もそう。
あなたが初渡航の旅行者ならなおさら、一般のガイドブックとの併読をおすすめする。

ただし、旅の主目的がエッセンシュピールでのボードゲーム
三昧の日々である以上は、この本を手元において、その目的を満喫するための
独特のノウハウを頭に入れ、あなたが参加するため
まず貯金することから計画を始めよう。

サイトを巡り、あなたがどんなゲームが好きかを見極めよう。
日本でもショップやゲームカフェに遊びに行ってみよう。

「もうたくさんゲーム遊んでる」

いうあなたなら、お持ちのゲームのリストを作り
要らないものはフリマに出したり友人と交換したりして
本当に好きなゲームだけを手元に置こう。

スッキリしたでしょ？

ゲームの収納場所も、あなたの頭のなかも。
その状態で、どんなゲームがほしいっていうリストを作ろう。

それが出来たなら、お仕事や勉強を頑張ろう！
関係ない？いやいや…休暇取るには実績が必要でしょ？

心置きなく旅立てるように、今から頑張りましょう！
ご一緒に、ね？