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日本犬の誕生 純血と選別の日本近代史
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日本犬の誕生 純血と選別の日本近代史

志村真幸(著者)

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日本犬の誕生 純血と選別の日本近代史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勉誠出版
発売年月日 2017/03/01
JAN 9784585221722

日本犬の誕生

¥2,640

商品レビュー

3.5

3件のお客様レビュー

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2023/01/27

【概略】  平岩米吉らが、日本固有の犬種の保護・飼育を目指して発足した日本犬保存会、そこで対象となった日本犬の定義、対象から外れた犬種、その歴史をたぐる。 2023年01月27日 読了 【書評】  柴犬を飼い始めたこともあり興味があって読んでみた。興味深いね、日本って外圧から変...

【概略】  平岩米吉らが、日本固有の犬種の保護・飼育を目指して発足した日本犬保存会、そこで対象となった日本犬の定義、対象から外れた犬種、その歴史をたぐる。 2023年01月27日 読了 【書評】  柴犬を飼い始めたこともあり興味があって読んでみた。興味深いね、日本って外圧から変化を起こす歴史が多いのよ。大昔の渡来人から始まって、有名どころは黒船だよね。犬の世界もどうやらそうみたい。洋犬が明治時代に多く入ってきたことで、逆に日本犬に対するスポットライトが強く当たり、日本犬保存会の活動に広がっていくというね。  本書によると軍用犬というカテゴリーにおいては日本犬よりも洋犬、とりわけシェパードの優秀さなどの記述がされている。では転じて日本犬の良さはなんだ?という点になって、いわゆる精神性、「気魄(今は気迫)」について強調するように。ここでも「侍」というワードが使われていた。やっぱりなにかあるとサムライなんだね。  本書では冒頭に日本犬保存会に対する批判的なことにも触れていくという鼻息荒い感じの記載があって。「一体どういう感じなのだろう?」と思って読み進めていったの。・・・そんな感じのものは、なかったね。あえて言うなら日本犬保存会が定めた日本犬、そしてその流れで六犬種(柴犬・紀州犬・甲斐犬・北海道犬・秋田犬・四国犬)が天然記念物という大義名分を得るまでの政治とのつながり、そしてこの犬種から外れた犬種の悲哀にあるのかなとも思いつつ。基本的に、狼と犬についての関係、日本における犬の取り扱い、洋犬が入った影響、日本犬の保護、といった時系列にまとめられた感じで、批判めいた感じはなかったかなぁ。  著者さんが文化学者さんということもあって学術的な色合いで淡々と進む感じの内容だったね。日本犬保存会の内部のストーリーや、天然記念物というステータスを確保するにあたる政治家との駆け引き、(とりわけ自分は柴犬を飼っているため)柴犬絶滅の危機から今に至るまでのストーリーなど、読者がより日本犬(そして柴犬)を好きになる。自身の飼っている犬の後ろには沢山の先達の血と汗が流れているのだという部分、読みたかったかなぁ。

Posted by ブクログ

2022/02/10

日本犬の 近代の歴史について ここまで俯瞰できているのは大したものと思う。なかなか 日本犬について調べることは 資料が足りず わからないことだらけであるが、 整然と書かれている。 日本犬を飼われている方は 一読の値があると思う。

Posted by ブクログ

2021/03/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

日本犬の誕生 ~純血と選別の日本近代史 志村真幸著 2017年3月28日発行 勉誠出版 現在、日本で飼育される約988万頭の犬のうち、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、柴犬、四国犬、北海道犬(アイヌ犬)の日本犬として愛犬団体に血統登録された犬は約100万頭。両親が明確でかつ他の犬種が混じっていないと確認できるもののみ。他は雑種扱いとなる。 最初に発行された血統書。昭和7(1933)年に犬籍簿の整備が始まり、血統書が発行。 本書は日本犬についての生物学や進化論的な考察本ではなく、いかに日本犬が定義され、その“社会的地位”が確立されたかというルポルタージュ。日本犬の"誕生“は天然記念物という仕組みが密接に関わり、それは昭和3(1928)年にできた愛犬団体の一つ「日本犬保存会」が主導したものでもあり、政治力なども関わっていたようだ。 日本で最初に天然記念物に指定されたのは秋田犬。昭和6(1932)年7月。 昭和9(1934)年、甲斐犬が天然記念物指定。甲斐犬という名称が使われるのはこれが初めてで、それまでは甲斐日本犬や地犬などと呼ばれていた。指定に際して独自名称が求められて甲斐犬に。 ・S6 秋田犬 ・S9 甲斐犬、紀州犬、越の犬(新潟、富山、石川。戦争中に絶滅) ・S11 柴犬 ・S12 土佐犬(四国犬)、北海道犬 *群馬、山形・福島、岩手などは排除された かつて日本の犬は。町犬として放し飼いにされるのが普通だった。実用性は期待されず、近所が共同で餌を与え、なんとなく犬がうろうろしている状況だった。しかし、明治30年代に畜犬税が導入されたことなどで姿を消してしまい、昭和に入って再登場した「日本犬」は、純血種とみなされ、お金を払って購入するものとなっていった。 明治36年の大日本猟犬商会の営業案内。猟犬としての仕込みを終えた3歳半が最も高価だった。例:ビーグル種の牝が48-150円、レトリバー種の牝が47-135円 日本犬保存会は昭和12(1937)年に公益法人に。当初は犬好きの集まりだったのが、二次大戦へと向かっていく中でさまざまな思惑や意味合いが付加され、純血の「日本犬」を選出・保護していく際にそれがあらわになる。会がしようとしたこと。 ・洋犬の血が混ざっていない犬を集める ・飼育頭数を増やす ・天然記念物への指定による保存 日本犬をつくる場合、国内の町、村、山などに無数にいる犬の中から日本犬を探す必要がある。まず、洋犬と雑種が外されたが、日本の犬のなかでも、狆と土佐犬の扱いが問題となる。 狆は欧米で公認された最初の日本産の犬だったが、もともとチベットや中国から来たものとして日本犬から外される。「日本を原産地とする犬と日本犬とは違う。日本を原産地とする犬には、狆と土佐犬と似日本犬がある」とされた。 日本犬候補から外された犬。 サツマ犬、尾張犬、岐阜犬、高安(こうやす)犬、高野犬、津軽犬、岩手犬、赤城犬、阿波犬、庇護犬、椎葉犬など 名犬がいる犬種でも、繁殖の望みがない犬種、日本犬全体への貢献につながらないものは外される

Posted by ブクログ

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