商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2017/03/07 |
JAN | 9784309415192 |
- 書籍
- 文庫
恋する原発
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恋する原発
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商品レビュー
3.5
6件のお客様レビュー
とにかくすごいの一言。途中に挟み込まれる「震災文学論」がまた凄まじくて、これを小説に翻訳したのが『恋する原発』なのではないかという気もしてくる。これをあのタイミングで書いたのがすごいし、「現実」(という言葉は曖昧に過ぎるのだけど、今はこれしか思い浮かばない)が壊れたことをその中に...
とにかくすごいの一言。途中に挟み込まれる「震災文学論」がまた凄まじくて、これを小説に翻訳したのが『恋する原発』なのではないかという気もしてくる。これをあのタイミングで書いたのがすごいし、「現実」(という言葉は曖昧に過ぎるのだけど、今はこれしか思い浮かばない)が壊れたことをその中にいながら敏感に感じ取っていないと書けない小説だと思う。 「無かったことにする」ことへの拒否は、SF的な想像力がありつつも、戦争も含めた忘却への拒否でもあるのだと思った。
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- ネタバレ
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チャリティーでAVを撮影するって ぶっとんだアイデア大好きです。人の善意とか悪意とか、素敵な題材になりそうだなって、わくわくして読み始めたのだが、自分が思っていたのとは違って、変にSF要素が入って、 ぶっ飛んでいたが、自分が求めていたのとは違った。でもこういうぶっ飛んだ作品を生み出せるのすごい。 原発に対して考えるきっかけにはいいのでないだろうか。 いや、いいのかな?w
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決して万人ウケする作品ではないし、一部の人には不快な可能性もある作品。 著者があとがきで述べているとおり、この小説は酷いんだけれど、酷いのにも関わらずマジメにみえてしまうという、それほどまでに現実の方も酷い時代なんだと思う。 途中の震災文学論はナウシカを中心にマジメに核戦争、震災...
決して万人ウケする作品ではないし、一部の人には不快な可能性もある作品。 著者があとがきで述べているとおり、この小説は酷いんだけれど、酷いのにも関わらずマジメにみえてしまうという、それほどまでに現実の方も酷い時代なんだと思う。 途中の震災文学論はナウシカを中心にマジメに核戦争、震災、水俣病といった悲劇を通じてみえてきた我々の世界の隠していた負の側面に言及しながら、負の側面が我々の世界を支えてもいる構図を示していて、本書の基本的な考え方になっているのだけれど、震災文学論だけではただのマジメな文学論になってしまって正統性を競う争いに巻き込まれてしまう。それを避けるために震災復興支援のためのAV撮影を酷いストーリーでまぶすことが必要だったんだと思う。 今はマジメな文章が求められている時代なのでこういう文章減ったなあと思いつつ、ストレートに語り尽くせないのが現実というものなので、文学にはこう役割を引き続き期待したい。
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