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第三の子ども こわい話 古典から生まれた新しい物語
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第三の子ども こわい話 古典から生まれた新しい物語

日本児童文学者協会(編者), 浅賀行雄

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第三の子ども こわい話 古典から生まれた新しい物語

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 偕成社
発売年月日 2017/02/01
JAN 9784035396406

第三の子ども

¥1,320

商品レビュー

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2022/08/19

神話や民話、物語のテーマを現代物語風に書いたシリーズの「こわい」の話。 怖いというより、嫌〜な気持ちになるお話が多かったです。 『仙人さん』令丈ヒロ子 (元ネタ「今昔物語集・外術を持って瓜を盗み食はれたる語」) 令丈ヒロ子は「若おかみは小学生」など児童文学で有名ですが、児童向...

神話や民話、物語のテーマを現代物語風に書いたシリーズの「こわい」の話。 怖いというより、嫌〜な気持ちになるお話が多かったです。 『仙人さん』令丈ヒロ子 (元ネタ「今昔物語集・外術を持って瓜を盗み食はれたる語」) 令丈ヒロ子は「若おかみは小学生」など児童文学で有名ですが、児童向けに「今昔物語集」や「枕草子」を現代っぽく組み立て直している本もあります。 みのりは”仙人さん”と呼ばれるホームレスをリンチにかける高校生集団を見てしまう。中心人物は雑誌モデルもやってる優等生の誠也くん。数日後、誠也くんが口封じにやってきた。すると”仙人さん”が現れて…。 今昔物語では、商人にからかわれた仙人が、幻術で売り物の瓜を食い尽くしてしまうという「一本取られた!」という感じですが、この話ではなかなか恐ろしい。悪いやつに罰が下るからまあいいかという感じでもあるが。 『マクベスの消しゴム』藤真知子 (元ネタ「マクベス」) ママに妹を取られた気持ちのユカは、占い師のおばあさんから「名前を書いて消せば、その人が消える」消しゴムをもらう。 最初はこんなものと思っていたユカだが、一度使うともう止められなくなり…。 「マクベス」より、一度手を染めたらやめられないということと、自分の手が汚いようで何度も何度も手を洗う、というモチーフ。 『さよならピアノ』吉野万理子 (元ネタ「警官と賛美歌」オー・ヘンリー) 鉄也はお母さんにねだってピアノを習い始めた。次第に熱が冷めて辞めたくて仕方がなくなってくる。お母さんやピアノの先生に一生懸命嘘をつくけれど全て裏目に出る。しかし男性バンド見て「音楽ができる男ってかっこいい!」と思った鉄也はまた張り切ってピアノに向かう…のだが、かつて鉄也が付いた嘘が全部本当になってしまうのだった。 やりたくなったらできなくなる皮肉。「警官と賛美歌」は本人だけに返ってくるが、この話は家族や先生に被害が及ぶのでなんか気の毒。 『第三の子供』阿刀田高 (元ネタ「古事記・海彦山彦」) 古事記のお話で、ニニギノミコトとコノハナサクヤヒメの間に三ツ子が生まれた。 やがて「海彦山彦」の経緯になり、ヤマヒコがウミヒコを従えることになる。 …あれ?三つ子が生まれたならもうひとりは? この謎に(古事記では「もうひとりの弟もヤマヒコの部下になっていた」くらいの記載があったはず)阿刀田高は「もうひとりは、闇の国を治め、死んだ人のことや滅びた国のことを記憶して伝える役割を担った」という物語にした。 この世から消えてしまったのもを伝え残す。そこには怒り、悲しみ、恨みという闇の感情もある。 それこそが「文学」「語り部」の誕生だったのだ。

Posted by ブクログ

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