商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 創土社 |
発売年月日 | 2017/03/01 |
JAN | 9784798840031 |
- 書籍
- 新書
人造剣鬼
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人造剣鬼
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
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やはり上手い。江戸初期に19世紀後半の西洋の物語を組み込むという荒業も違和感がない。クトゥルーのレーベルであるが、ハマー・フィルムのオマージュということでクトゥルーっぽさが薄く物足りなさも感じたが、逆に、怪異を斬る剣客物として、神話を知らない人へも勧めることのできる内容になって...
やはり上手い。江戸初期に19世紀後半の西洋の物語を組み込むという荒業も違和感がない。クトゥルーのレーベルであるが、ハマー・フィルムのオマージュということでクトゥルーっぽさが薄く物足りなさも感じたが、逆に、怪異を斬る剣客物として、神話を知らない人へも勧めることのできる内容になっている。
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江戸初期の実在のキャラクターとして最も人気が高いのは柳生十兵衛ではないかな、と思う。 天才的な剣術家であること、名門の嗣子でありながら上様を稽古中にこてんぱんにするという反骨、そして隻眼。同じ兵法家でも、たとえば宮本武蔵が内向的でネガティヴな面があるのに対して、柳生十兵衛は大抵野...
江戸初期の実在のキャラクターとして最も人気が高いのは柳生十兵衛ではないかな、と思う。 天才的な剣術家であること、名門の嗣子でありながら上様を稽古中にこてんぱんにするという反骨、そして隻眼。同じ兵法家でも、たとえば宮本武蔵が内向的でネガティヴな面があるのに対して、柳生十兵衛は大抵野生児的としてもポジティヴなイメージで描かれる事が多い。 本作の柳生十兵衛も、まさにその通りのキャラクターとして描かれている。 一応、伝奇もの的なスタイルで物語られているが、実はハマーフィルムへのオマージュである、と作者が後書きで証している通り、これはホラーだ。 異国の医師によって屍体から作られる不死の兵士。これを呈して謀反を起こそうとする大名がいる。そこに柳生十兵衛が乗り込むという仕立だ。 菊地秀行といえば、吸血鬼を扱う事が多い作家で、吸血鬼の冷血さと悲哀などを一種耽美に描くのが特徴だと思うけれども、フランケンシュタインの怪物についても同じだった! 但し、面白いのは、本作に登場する不死の怪物は、美しい面貌を持っていれば心が歪んでおり、面貌が見るに耐えぬ醜貌であるなら心はまっとうである、という設定だ。これによって、美しき冷血という怪物性と、人間らしいがゆえに醜貌のため人間社会では生きられない悲哀という二面性を描いているわけで、ああ、フランケンシュタインものを書いてもやっぱり菊地秀行なんだなあ、と堪能できるのだ。 まあ、オマージュという事なので、ストーリーについて突っ込んでも仕方がないのだが、一点だけどうしても謎なのは、冒頭近く、謀反が企まれている藩を脱出してきた女性が、不死の一団に襲われるシーンだ。誰がこれを手配したのか、そして迎え撃った火矢を放った集団は何者だったのかが明かされていないように思う。 元ネタの映画を見れば解明できるのだろうか。
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