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日本近代の歴史(5)
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日本近代の歴史(5)
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吉川弘文館の通史「日本近代の歴史」シリーズ第5巻。対象時期は1926年ー1937年、第1次若槻礼次郎内閣発足から林銑十郎内閣総辞職まで。政党内閣が慣習化した「憲政の常道」期と5・15事件以降の「挙国一致」内閣期を包含する。 書名に「ファシズム」とあるが、いわゆるファシズム国...
吉川弘文館の通史「日本近代の歴史」シリーズ第5巻。対象時期は1926年ー1937年、第1次若槻礼次郎内閣発足から林銑十郎内閣総辞職まで。政党内閣が慣習化した「憲政の常道」期と5・15事件以降の「挙国一致」内閣期を包含する。 書名に「ファシズム」とあるが、いわゆるファシズム国家論の立場ではなく、著者が冒頭で断っているように本文中「ファシズム」の言葉もほとんど使われてはいない。代わって「『現代国家』化」というタームでこの時期の政治構造の変容を説明しているが、個別の政策や運動がどう「現代国家」に収斂するのか不明瞭で理論面で問題がある。権力の多元性・分散性が逆に社会の統制と画一化をもたらすメカニズムは正直なところ本書では理解できない。また、植民地について一切言及がないことが気になる。細部の問題では、張作霖爆殺事件による田中義一内閣総辞職に至る経緯の叙述に疑問(特に1929年6月27日の首相内奏の内容)がある。史実の羅列ではなく、歴史事象の因果関係を重視して叙述している点は評価できる。
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