商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2017/01/01 |
JAN | 9784480433985 |
- 書籍
- 文庫
聞書き遊廓成駒屋
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聞書き遊廓成駒屋
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商品レビュー
4.6
8件のお客様レビュー
2017年ちくま文庫。元は1989年講談社。 昭和53年ころだろうか、たまたま通りかかった中村遊郭で家屋取り壊し現場に出くわし、捨てられていく民具を工事を中断させて搬出したところから始まる。神崎の遊郭調査。今でいう鵜飼病院の向いのところだ。知っている地名、場所が頻出。 お秀さんを...
2017年ちくま文庫。元は1989年講談社。 昭和53年ころだろうか、たまたま通りかかった中村遊郭で家屋取り壊し現場に出くわし、捨てられていく民具を工事を中断させて搬出したところから始まる。神崎の遊郭調査。今でいう鵜飼病院の向いのところだ。知っている地名、場所が頻出。 お秀さんをはじめ関係者からの長年に及ぶ広範囲な聞き取り。元娼妓に四国まで会いに行くが、ここでは話をせずに帰ってくる著者の控え目さが素晴らしい。 少し前に朝日新聞で著者の経歴が連載されていたがそこでもお秀さんとの話や写真が載っていた。娼妓と取り巻く人々、近い過去、近い場所での様々な人生があった。
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読了。遊郭の華やかな部分ではなく、ふだんの生活や経営のことが気になっていたのでちょうど良かった。語り口にハードボイルド感があるのは好きずきが出るかもしれない。 遊郭では娼妓は湯たんぽに入れるお湯すらも割高な料金でツケ購入しており、積み重ねによって借金がどんどんかさんでいく仕組み...
読了。遊郭の華やかな部分ではなく、ふだんの生活や経営のことが気になっていたのでちょうど良かった。語り口にハードボイルド感があるのは好きずきが出るかもしれない。 遊郭では娼妓は湯たんぽに入れるお湯すらも割高な料金でツケ購入しており、積み重ねによって借金がどんどんかさんでいく仕組みになっていたという話には、ビジネスモデルゥ…と唸る思いだった。 遊郭では登廓時間を線香の本数で数えるのは有名な話だが、時計の普及や物価の高騰によりそれが形骸化し、結果線香の本数が実態から離れて(帳簿上)増えていったというのは興味深かった。同じ系列の花街でも最小単位の一寸間(30分)は明治10年には線香1本。これが昭和10年代には8本になっている。 実際に線香が燃える時間の方ではなく、線香1本いくらの方がベースになっていることが分かる。
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下手な小説よりもドラマチック! 気の遠くなるような丁寧な 聞き取り調査が、売買春の実態や そのまわりの人間関係を描き出す。 著者も書いているが、 個性的でアクの強い人たちと 心を通わせる姿勢が、 難しい主題をここまで魅力的な本に したのだと感じた。
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