商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2017/01/17 |
JAN | 9784003273845 |
- 書籍
- 文庫
ティラン・ロ・ブラン(4)
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ティラン・ロ・ブラン(4)
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商品レビュー
3
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色々あってついに出陣にこぎつけたティラン。しかしここまでのグダグダの展開を一掃するかの如く乗っていた船が難破して、着の身着のままで北アフリカに流れ着くのであった。現地のモーロ人に助けられるのだが、恩人の息子と主君の仇がキリスト教に改宗したから親友となり、恩人がキリスト教に疑念を抱...
色々あってついに出陣にこぎつけたティラン。しかしここまでのグダグダの展開を一掃するかの如く乗っていた船が難破して、着の身着のままで北アフリカに流れ着くのであった。現地のモーロ人に助けられるのだが、恩人の息子と主君の仇がキリスト教に改宗したから親友となり、恩人がキリスト教に疑念を抱くと激高して殺害してしまうあたり、レコンキスタ最高潮だからだろうが、キリスト教重視だと思う。最終的にはギリシャ帝国を救うことに成功するのだが、実際には本書が書かれる30年ほど前にコンスタンティノープルは陥落している。つまり俺Tueeeな各戦記なろう小説なのだ。 しかし、本書の真骨頂は最後の解説にある。このティランという作品はなぜバルガス=リョサがかくも推していたのか、それは恋あり戦争あり心理描写ありの全体小説だったからだというのだ。確かに凡百のものであれば、かくも長く語り継がれることも、ブクログでツッコミを入れることもなかったであろう。本書の時代背景や当時の受け入れる風土にも言及があり、この解説も含めて「日本語版ティラン・ロ・ブラン」といえよう。
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「諸君、頭を高く上げよ。この世で命よりも大切な名誉のために戦うのだということを想え。そうすれば富も繁栄も自由も栄光も後からついてくるであろう」騎士道とは、結局、名誉なんだと感じさせられます。 嵐にあい、漂流したティランは、北アフリカのイスラムと戦い征服する。そして、ギリシャへ最後の戦いに挑む。 戦闘は知恵の争いと語るが、要は、奇襲戦なのでしょうか。微妙に相手を油断させ、そこを鋭く攻撃し全滅させる。これは、真っ当な闘いなのか、疑問が残る。 そして、降伏したイスラムに対する対応(全滅を求める騎士と降伏を認める皇帝)が、騎士と皇帝を区分する。だから、ティランにはギリシャを治める術はなかったのかもしれない。そして、神に召されることとなる。ここで、甥のイポリト登場が自然な帰結なのでしょう。 長い騎士道の物語がここで幕を閉じる。あらためて、西洋がこの時代から”対話”で成り立っていることを感じる。常に、意見と反論。立場や老若男女を問わず語り合う。日本の武士道とは似て非なるものを突き付けられたようです。
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