かわいい浮世絵 Kawaii

日野原健司(著者), 太田記念美術館

• 販売会社／発売会社: 東京美術
• 発売年月日: 2017/01/01
• JAN: 9784808710736

商品レビュー

2024/08/18

タイトル通り「かわいい」の観点から集めた浮世絵の作品集。基本的にオールカラーの見開き2頁で各作品が紹介され、簡潔な説明文が添えられています。この説明文が主張しすぎてないのが良いです。
本書では23人の絵師の作品が掲載されており、一番古いのは享保（1716～1736）頃の竹田春信の『桜下縁台美人図（おうかえんだいびじんず）』、一番新しいのは明治30年（1897）の楊洲周延（ようしゅう ちかのぶ）の『真美人 十四 女学生』でしょうか。知らない絵師を知るのも面白いです。
中でも歌川国芳の作品が多かったですが、『流行猫の曲鞠』、『道外（どうけ）とうもろこし　石橋（しゃっきょう）の所作事』、『てるてる坊主　おひよりおどり』が同一人物の作品とは思えない…。国芳の画風？作風？の振り幅に驚かされました。
個人的に気に入ったのは二代目歌川広重の『新板（しんばん）鉢植つくし』です。園芸植物もですが、植木鉢も全部デザイン違ってる所が細かいなーと。また、歌川広重の『寺子屋遊び』は表情がやっぱり長谷川町子のサザエさん（漫画の方）に見えてしまうし、歌川広景のシュールな作品にもニヤッとしてしまうし、歌川国貞の『五節句ノ内　文月』は、6人の女性の踊りに躍動感を感じたり…。つくづく、実物を観てみたくなります。

2022/09/19

動物がモチーフのゆるーい浮世絵がたくさん載っててかわいい。日本アニメの原点は浮世絵にあるのかもと感じました。

2021/11/26

なかなか絵画を子細に見る機会は多くない。日本画ともなると学生のころよりはずっと機会が減ってしまった。「かわいい」に焦点をしぼって、さまざまな画家の浮世絵を紹介してもらってありがたい本です。ほんとうに可愛い。そして自由。題材も構図もほー　いいよねーーと洋画に慣らされていた目には楽しくて仕方ないです。若い女性のファッションもおもしろい。チェックシャツの上に着和服重ね着ですよ。あきれちゃう。小物類は今でも売ってほしいほどおしゃれ。ケモノあり付喪神あり！琳派、印象派、絵巻などシリーズらしいので読みたい。