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スピニー通りの秘密の絵
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スピニー通りの秘密の絵

ローラ・マークス・フィッツジェラルド(著者), 千葉茂樹(訳者)

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スピニー通りの秘密の絵

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 あすなろ書房
発売年月日 2016/11/01
JAN 9784751528631

スピニー通りの秘密の絵

¥1,650

商品レビュー

4.5

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2021/01/28

「卵の下を探せ」事故で亡くなった祖父が最後に遺した謎の言葉。祖父の絵の下から現れた古い絵の正体とは? 生活を支えてくれていた祖父が亡くなって、生活の全てが13歳の少女セオが背負うことになってしまう。論文にしか関心を示さない母親を支え、日々の食糧にさえ事欠き庭で自家栽培の野菜を育...

「卵の下を探せ」事故で亡くなった祖父が最後に遺した謎の言葉。祖父の絵の下から現れた古い絵の正体とは? 生活を支えてくれていた祖父が亡くなって、生活の全てが13歳の少女セオが背負うことになってしまう。論文にしか関心を示さない母親を支え、日々の食糧にさえ事欠き庭で自家栽培の野菜を育て、鶏を飼い卵を得る。下を向きながら街を歩き、使えるものを拾う。そんな毎日。 もしかしたら祖父が遺した絵は、そんな生活を一変させてくれるかもしれない。セオはそこに一縷の望みをかけ、偶然出会った有名な俳優を両親に持つセレブ女子ボーディと共に謎に挑むのです。 絵の謎は、ルネサンスから第二次世界大戦時の悲劇へと渡り現在に繋がる。絵に描かれた内容の謎と、持ち主に関わる秘密が明かされていく様に心奮えます。 謎の絵の正体を探るミステリとしても楽しい1冊ですが、それだけじゃないのです。アメリカのYA作品らしいなと思えたのは、物語の中に社会の問題や構造をそっと差し入れている点です。 貧困家庭のセオとセレブのボーディの感覚の違い。でもそんなことは関係なく築き上げる友情。セオに対して辛く当たる大人もいれば、そっと助けてくれる大人もいる。 謎を調べるときにセオが利用するのが、図書館と美術館。図書館では無料で本が借りられる。職員に質問して調べごとを手伝ってもらえる。美術館も払えるだけの金額だけで中に入って、本物の美術品を見ることができる。 セオが動くことでセオが街と繋がっていくのです。謎が解けたとき、セオはこう思うのです。「わたしはこの街の一部になった。そして、この街はわたしの一部になった」孤独で貧困環境の少女に手を差し伸べてくれる大人や社会構造があるよと伝えている。街がセオをひとりにさせなかった。そのことが嬉しく感じたのです。

Posted by ブクログ

2019/05/24

2017年読書感想画コンクール中学・高校の部の指定図書。 表紙の絵が好みで、読みたい!と思いつつ積読状態になっていた。 これは表紙の魅力を裏切らず、面白かった。児童書というカテゴリーに入れてはいけないだろう。 2014年にジョージ・クルーニーが監督して話題になった映画「ミケラン...

2017年読書感想画コンクール中学・高校の部の指定図書。 表紙の絵が好みで、読みたい!と思いつつ積読状態になっていた。 これは表紙の魅力を裏切らず、面白かった。児童書というカテゴリーに入れてはいけないだろう。 2014年にジョージ・クルーニーが監督して話題になった映画「ミケランジェロ・プロジェクト」を思い出した…観たかったが観れてない…トホホ。格差が広がる現代社会と人類の大きな過ちである第二次大戦、苦境の中の友情がどちらの時代にも光る。 余談。読書感想画は中学と高校が同じ枠で指定されているのだが、この本は今どきの中学生にはちょっとハードルが高いかもしれない。 というのは、本題までが結構長いのだ。動画世代の子ども達は前置きが長いと、「無理!」となってしまうことも多い。 近ごろのブックトークでは、「続きは、読んでのお楽しみ」では読んでくれず、最後どうなるか教えると安心して読んでくれる…という(映画やゲームのノベライズが人気なのもこのあたり)、これはもう考え方を180度変えないと本離れが加速し続けるであろう…。2019.5.24

Posted by ブクログ

2018/03/05

子ども向けの体裁の本だけど、大人向けのご都合主義ミステリーの比ではないくらいよくできていると思いました。物語の幹の部分もおもしろいし、味付けとしてふりかけられているメッセージもけっこうよくて、たとえば、37ページあたりに書かれている美術品に対する対峙の仕方などには、けっこうグッと...

子ども向けの体裁の本だけど、大人向けのご都合主義ミステリーの比ではないくらいよくできていると思いました。物語の幹の部分もおもしろいし、味付けとしてふりかけられているメッセージもけっこうよくて、たとえば、37ページあたりに書かれている美術品に対する対峙の仕方などには、けっこうグッときました。読んでよかったです。(2017年11月25日読了)

Posted by ブクログ

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