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直面(ヒタメン) 三島由紀夫若き日の恋 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2016/11/10 |
JAN | 9784167907358 |
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直面(ヒタメン)
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直面(ヒタメン)
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
年月が経つと透明になる思い出 消えてしまう前に残しておく 大切なことです 奥ゆかしいが死語の現代 なまめかしいことを 巧みににしっかり聞き書きしていて 興味深く拝読いたしました
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「三島由紀夫の本」とでも言えば、高名な作家であった三島由紀夫が綴った何かであると思うであろう。が、本書は「三島由紀夫の本」とは呼び得るのだが、「“三島由紀夫”という筆名で作家活動をしていた平岡公威を知る2人の女性の回顧談を軸に展開する実録」というような内容なのだ。 平岡公威(ひら...
「三島由紀夫の本」とでも言えば、高名な作家であった三島由紀夫が綴った何かであると思うであろう。が、本書は「三島由紀夫の本」とは呼び得るのだが、「“三島由紀夫”という筆名で作家活動をしていた平岡公威を知る2人の女性の回顧談を軸に展開する実録」というような内容なのだ。 平岡公威(ひらおかきみたけ)というのは三島由紀夫の本名である。本書に在る回顧談をしている女性達は、「身近に“三島由紀夫こと平岡公威”という人物」を知っていた。そしてこの本名の「公威」に因んで一方は「公威(こうい)さん」と、もう一方は「公ちゃん」と彼を呼んでいた。本書に在る回顧談の中でもそのように呼んでいる。 「“三島由紀夫こと平岡公威”という人物」を「公威(こうい)さん」と呼ぶ女性は豊田貞子という方で、三島由紀夫が結婚する以前に概ね3年間程度に亘って交際していたという人物だ。「公ちゃん」と呼ぶのは湯浅あつ子という方で、豊田貞子との交際の以前からその後に接点を持ち続け、豊田貞子を「だこちゃん」として知っている。三島由紀夫にとって、年が近い姉、親友、或いは恋人のような存在感で在り続け、「長男の古くからの友人」として三島由紀夫の両親を“おじさま”、“おばさま”として知り、懇意にもしていたという人物である。 この2人の女性に関しては、「小説の作中人物のモデル」という話しが在る、またはこうした女性達と過ごした時の事が「作中挿話に反映」されているという話しも在る。(そうは言っても、小説作品は飽くまでも「作家が創ったモノ」ではあるが…)また三島由紀夫は随想的な文章を雑誌掲載、後に書籍化という形で多く公にしているが、そんな中にも豊田貞子との交際という中での雑感と見受けられる内容が在るという。 本書は“実録”という体裁で綴られている。実は、三島由紀夫と豊田貞子との交際に関して、永年の知人女性が「三島由紀夫と交際していたことが在る」と知った筆者が、話しを詳しく聴いて小説の体裁で発表した経過が在り、作品が反響を呼ぶ中で「もっと踏み込んだ事実等を知りたい」という声が高まり、この“実録”を手掛けたのだという。本書の中にも綴られている事情だが、それでも何処となく「知人女性と深い縁が在ったという高名な作家に関して、或るライターが調べている」という「精緻に造り込んだ物語」のようにも感じられた。そういうことで、読んでいて「“作中世界”に没入」というようにも感じた。 “歴史”として「“三島由紀夫”という作家が在って…」という経過を知る者、或いは「昭和期の高名な作家の作品を愉しんでみようとする」という一読者として少し思う。この作家は「“作家 三島由紀夫”という何かを演じ続けようとした、“平岡公威”という表現者」であったのではないかというようなことだ。本書に触れると「“作家 三島由紀夫”という何かを演じ続けようとした、“平岡公威”という表現者」の姿が示されるような感で、かなり興味深い。 そして本書には、三島由紀夫が豊田貞子とが交際したという昭和29年頃から昭和32年頃の様子、二人が各々に結婚した後の昭和30年代の感じが色々と語られていて、そういう辺りも「或る種の風俗史、社会史」として興味深い。 「昭和期の高名な作家」としてみたが、三島由紀夫が綴ったモノに関しては、未だ元号が昭和であった中学生や高校生の頃にも触れている。そしてその後も、頻繁に在ることでもないが「好きな作家?」とでも尋ねられれば挙げてみる名前に“三島由紀夫”は何時も入っている。と言って、酷く多くの作品が在る訳で、全てに親しんでいるというのでもない。本書に触れると「改めて三島由紀夫作品を色々と読んでみようか…」という気分も沸き起こる。 題名の「直面(ヒタメン)」とは、能楽の用語で「能面を着用せずに舞う」ということ、「素顔そのものが仮面?」というような状態を意味するのだという。本書を介して「“作家 三島由紀夫”という何かを演じ続けようとした、“平岡公威”という表現者」の「素顔?」に触れることが出来た。が、これもまた「或る種の仮面」か?没後に半世紀も経ている三島由紀夫だが、改めて大変に大きな存在であることに思い至る。
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イメージが先行している部分をもう少し冷静にみるきっかけにいいような感じ。ひとりの青年、大人、文学者として。興味深く読み通せた。
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