商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2016/10/21 |
JAN | 9784122063013 |
- 書籍
- 文庫
瓜子姫の艶文
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瓜子姫の艶文
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商品レビュー
3.5
3件のお客様レビュー
昔瓜子姫の話を絵本か児童文学の本かで読んだ。でも、記憶はあまり残っていない。 ただ、天邪鬼が怖かったし、誰が来ても戸を開けてはいけないと言われているのに、なんで開けるの?という気持ちや、天邪鬼に簡単に騙される瓜子姫の純朴さにイラついたことはよく覚えている。 この作品は児童文学の...
昔瓜子姫の話を絵本か児童文学の本かで読んだ。でも、記憶はあまり残っていない。 ただ、天邪鬼が怖かったし、誰が来ても戸を開けてはいけないと言われているのに、なんで開けるの?という気持ちや、天邪鬼に簡単に騙される瓜子姫の純朴さにイラついたことはよく覚えている。 この作品は児童文学の瓜子姫を底辺に置きながら、自分の人生を瓜子姫とかぶらせたり、天邪鬼にすり替えたりしつつ、進んでいく。 伊勢参りの道者が随所に現れて、登場人物に様々な感情を植え付けているが、最後は結局その中に紛れてしまった… 読後すっきりとはいかないまでも、初めから霧がかかった幼いころの記憶を、後半一気に取り戻して結末を迎えるあたりは、引き込まれた。
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伊勢国の商家の女将りくと、遊女の伽羅丸。 この二人の視点が絡まりあいながら物語は展開していく。 夫の亥右衛門を取られたくない女と取りたい女。 二人の自尊心と生き方がぶつかる。 少しずつ二人は近づき、運命が重なると……。 衝撃が走った。 私はもう一度該当箇所に指を挟み、読み直した。...
伊勢国の商家の女将りくと、遊女の伽羅丸。 この二人の視点が絡まりあいながら物語は展開していく。 夫の亥右衛門を取られたくない女と取りたい女。 二人の自尊心と生き方がぶつかる。 少しずつ二人は近づき、運命が重なると……。 衝撃が走った。 私はもう一度該当箇所に指を挟み、読み直した。 どこで、運命が、女が、変わったのか。 伊勢音頭の「お蔭でさ するりとな 抜けたとさ」が、のろいなのか、まじないなのかわからぬまま、妙に浮かれた調子で物語を貫いていく。 亥右衛門。 伽羅丸があれほど恋い焦がれ、りくがあれほど守ろうとしていた男。 蓋を開けてみれば、若い女に夢中で、自分のことしか考えていない、どうしようもない男だったことに、女たちも、読者も気付いていく。 こんな男は今もいる。 耳に優しい言葉をかけるものが、必ずしも誠実だとは限らない。 瓜子姫の話のくだりについて、伽羅丸が知っていたのは、瓜子姫が天邪鬼に食われてしまう方だった。 私も東北の血を引くせいなのか、同じ展開の方で覚えており、他の結末があるとは知らなかった。 様々な結末があるが、この物語には、やはり、食われてしまったほうがふさわしい。 てんさらばさらはケサランパサランの事に違いない。 はて、名前の似通った生き物、なんとも不思
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伊勢参りで沸く松坂の町。木綿問屋の女将・りくが夫宛の文を開いた時、悲劇が始まった。女の深き業と情念を描く、著者最後の長篇。〈解説〉酒井順子
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